炎の洗礼
もう一枚の対をなすソロ作品のところでもちょっと書いたんだが、これが当時、モダンだの歌が下手だの酷評されたわけで・・・BURRN!とかで。しかし、HMをあまり狭い視野でとれるんじゃなく、色々なジャンルを幅広く聴ける最近の洋楽好きには、案外今再評価してもらえないかと、レビューを書く。まず、グレンは歌は上手くないし、どちらかというと悪声だが、歌メロセンスは良い!むしろ、PRIESTの歌メロの良さは、ロブ(だけ)じゃなく、グレンのアドバイス、アイデアによるところが大きいと思う。歌い癖に頼るのでもなく、自分の狭い音域の中で、最大限幅広いメロディを作る姿勢には感心する。ギターメロディ、リフ、フレーズの良さは文句なし。ただ、グランジっぽいザリザリいう音に、当時のHMファンは目くじら立てたのだが、今どき、この程度で文句言う人間はいないだろう。曲は多彩。グルーヴィなロックから、ヘヴィで荘厳な曲から、ブルージーで陰鬱な曲、ほのかな哀愁のバラードまで、PRIESTの多彩さを、ロックフィールド全般まで広げた、バラエティ豊かなサウンド。全体的にはダークだが、闇の中で見る花畑みたいなカラフルさはある。今聴けば、当時酷評してた人の半数くらいは、見直すんじゃないかな。
炎の洗礼
Judas PriestのギタリストGlenn Tiptonが、Rob脱退からRipper加入までのPriestの空白期間に製作したソロアルバムです。 カバー1曲を除き作詞・作曲、そしてプロデュースを手掛け、おまけに全曲本人が歌っています。
長年ヘビメタしている人だから変化を求めてまったく違ったサウンドのアルバムなのかな?と思いきや、これが結構ハード&ヘビィー。 1曲目の‘Hard Core’なんてPriestの曲にもなりうる感じです。 2曲目はRolling Stonesの‘Paint It Black’のカバーですが、かっこいいギターアレンジにぶっ飛びました。
ボーカルも悪くないです。 さらりと歌っているんだけど、荒削りな感じが曲にマッチしているし、声はセクシー系で個人的には好きです。
曲もなかなかいい感じ。 Priest初期の名曲‘The Ripper’や‘Hell Bent For Leather’などを一人で作詞・作曲したGlennですから問題なし!
それから共演者もすごいことになってます。 5曲目‘Extinct’と6曲目‘Baptizm of Fire’は、ベースにBilly Sheehan、ドラムに今は亡きCozy Powell、プラス‘Baptizm ~’の間奏キーボードはDon Aireyと大変豪華です。 ほぼインストナンバーの‘Baptizm ~’のGlenn、Cozy、Billyのバトルのようなプレイは思わず「すんげ~!」と唸ってしまいました。
日本盤のみボーナストラック1曲が収録されているのがうれしい限りです。
ギターが上手くて、作詞・作曲の才能があって、歌ってプロデュースまで出来て、おまけに男前で・・・Glenn様、あなたはかっこよすぎます!!!