サーモンベリーズ [DVD]
「先生! アバロンの野生児が人間化、社会化されていくときに、女化するか男化するか、それともそのどっちとも言えない領域にとどまるかは、何によって決まるのですか?」
「『女化して生き易ければそれは生き残り、男化して生き易ければそれは生き残り、どっちとも言えなくて生きにくければ生き残れない』という説はデタラメに言ってみただけですが、意外と当たってるかもね…。いずれにしろ、教科書には書いてないので、自分のいのちを使って実験してみることです。生きにくくても生き残る可能性に賭けてみたい人は、この映画を見ておきましょう」
ヒムズ・オブ・ザ・フォーティーナインス・パラレル
k.d.langと言えば、1961年生まれ、カナダ出身、美声が売りのシンガー・ソングライターです。もともとカントリー系で売ってましたが、1992年にウーマンズ・ゲイであることを公表したころからカントリーの枠に収まらない音楽を作り出しています。本作品は1997年の"Drag"に続く2作目のカヴァー・アルバムで、ジョニ・ミッチェル、レナード・コーエン、ブルース・コバーン、ロン・セクスミス、ニール・ヤングらカナダ人の作曲家の曲を取り上げたものです。アルバム発表当時に「トニー・ベネットがアメリカのスタンダードを歌うなら、自分はカナダの歌を歌ってみようと思った」という意味のコメントが出てました。なお「the 49th parallel」というのは「北緯49度(アメリカとの国境)」を指すようです。
本作品はどこか寂しいアルバム・ジャケットの写真と音楽のイメージが見事に一致しています。クールで、シンプルで、美しく、バラード中心で、しかも悲しげな曲調のものが多いです。ニール・ヤングの曲は聴きなれすぎて多少の違和感がありましたが、それでもオススメ。特にレナード・コーエンの「ハレルヤ」やロン・セクスミスの「フォールン」は白眉の名唱です。
サーモンベリーズ [DVD]
これはパーシー・アドロンという監督の特性なのかもしれないが、ごく普通のひとの、ありふれた人生について、ごく自然に切り取って見せることを身上としているようにみえる。
声高に語ろうともしていないし、なにかドラマチックな効果を見せつけようとも思っていない。無理にまとめてメッセージを伝えようともしない。混乱した人生と、生きることの悲しさや痛みを、混乱した状態のまま見せようとしているようにみえる。
だから映画は淡々としているし、ある意味禁欲的だ。主人公をつとめる二人の人物も、もうすこしひと目を惹くような綺麗なひとを使えばいいのにと思うのだが、やはり役柄に適切な人物であることだけを優先しているようだ。
見終わったあと、ひとはすこし混乱するかもしれない。けっきょく何が言いたかったの? 何を見せたかったの? わかりやすいメッセージはそこにはない。
それに、淡々としすぎていて、まったく印象が薄いことにも面食らうかもしれない。
しかし、おそらくこの監督は、映像の力を信じているのだろう。映そうと思ったものに、適切にカメラを向けること。そんなドキュメンタリーのやり方を、信じている。そこにある美、そこにある真実。そういうものを観てみたいと思うひとにとっては、値打ちのある作品だと思う。
1/72 Sd.Kfz.162/1 IV号戦車/70(V)ラング #MT50
WTM等の1/144やドラゴンアーマーの1/72などミニスケールのミリタリーものが、
豊富に手軽に手に入るようになりました。
でも、まだこれらの完成品に物足りない方に、このキットは組み立てやすくオススメです。
パーツのモールドもシャープで精確に再現されており、完成した時のスタイリングにも、
十分満足の行くものだと思います。
ただ一つ難点はキャタピラの造形で、これだけは古いミニスケールの域を脱していません。
しかし、別売りのパーツやレベル・ドラゴンのモノをパーツ取りして使う等、解決策も今では沢山あります。
k.d.ラング トークブック
凄艶なほどの美貌と(ヴィジュアルがかっこいいですね。kdは)、天才的な歌唱力と、レズビアンであるというカムアウトから自分自身をつきはなして、自分の愛や考え方や価値観について、あますところなく、率直に、端的に語られている、のびやかな1冊である。ファンの人もそうでない人も、この本を読めば束の間、解放されたような自由な気分になるのに違いない。