永遠の信実 DVD-BOX (初回限定生産)
十戒、ブラザーサンシスタームーン、ヨハネパウロ2世平和の架け橋の3本をボックスに入れただけ商品。モーゼ、フランチェスコとヨハネパウロ2世の3人の関連性が理解できない。マザーテレサ、華麗なる激情とヨハネパウロ2世をカップリングした方が良かったのではないだろうか?ボックスに入れるだけではなくブラザーサンシスタームーンを新訳にしたり、新録音にするなど何らかの工夫が欲しい物だ。
ローマ教皇ベネディクト16世のためのコンサート マリス・ヤンソンスの第九 [DVD]
まずはパレストリーナ。
オーケストラ指揮者のイメージが強いヤンソンスがアカペラのコーラスを指揮しています。
タクトを使わず、豊かに溢れるハーモニーを時にすくいあげ、時に流すようなアクション。
音の厚みがとても心地よく感じられる演奏でした。
第九については、そんなに色々第九を聞き比べたことがないのですが……
どちらかというとゆっくりめ?
その割になぜかティンパニの音がやや甲高く聞こえるのはなぜなんでしょう。
ホールのせいなのかオケの音のまとまりがやや粗いように感じました。
ただ教皇猊下の御前演奏ということもあるのか、力みとは違う気合いがオケからひしひしと伝わってきます。
第4楽章は合唱が秀逸。個々の歌が溶け合い、深く輝かしい1つの声のようです。
先のパレストリーナとあわせて合唱団の格というものを思い知らされます。
また、おまけ?のドキュメンタリーが面白かった。
コンサートを用意するバイエルンの放送局、バチカン在住あるいは本国のバイエルンの人々がコンサートにでかけてくる様子。
演奏だけでなくイベントとしての盛り上がりがわかります。
普段なら近くにも寄れないようなローマ法王のお姿を存分に楽しめます。
(とはいっても私はキリスト教を信じているわけでもないのですが)
肝心の第9。鬼気迫るヤンソンスの姿を見ているだけで手に汗握ります。
最初は怖いのだけど、すこしずつ神々しさを感じてしまいます。
力強い合唱団の歌も感動ものです。
ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?
つい一気読みしてしまえる読みやすさ、おはなしのおもしろさもあり、ページ数も適度です。
何ヵ所かで、グッと胸にくる熱い想いを感じる話もあったりします。軽妙かつユーモラスたっぷりの話しぶりでいて、そのうえで全編を通して企画力のすさまじさを感じさせる内容です。
ひとりのアイディアがすべてを変えうるし、多くの支援者の存在、あと常に第三者の利益が重んじられています。人をいかに巻き込んで味方にしていくか、とか。まじめに本の内容を分解していったら、そうとう多岐にわたる示唆が得られます。
目的のために自分たちのルールを築いていったのかなあとも思いますし、私の中でうまく整理されていませんが、とにかく思ってもいなかったような話を聞けて、本当に良かったです。
看板ださない、って発想の過程が一番ギクリとしました。あと学生を村に招いておいて、イヤだったら夜の宿を提供しなくてもいい、とか平然といっちゃいますし。著者は、いったい何人称の視点をお持ちなのやら。少なくとも5か6人称はありますね。
ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調 (Beethoven: Symphony No. 9)
ローマ教皇聖下、しかもミュンヘン大の厳格なラッツィンガー教授であって強硬右派の神学者、異端審理の担当枢機卿であったベネディクト16世の御前で緊張しない人などいる訳無いです。
しかし、演奏に関してはヤンソンスの意図的なものでは?この曲のピリオド演奏における室内楽的なアプローチを咀嚼した上で、派手な祝祭的な演奏ばかりが喜ばれる(正直、私も嫌いじゃないし(笑))風潮に「異議あり!」と彼は凛として決然と胸を張る、そんな「志」の高さが伝わってくる良い演奏だと思う。
フルトベングラーで言えば、53年のウィーンのライブに近い、重厚さを抑えて、優美さ流麗さを聴かせる…そして、第四楽章はまるでミサ曲のように荘厳…いやぁバイエルンの合唱は宗教作品が上手いだけに深みがあり天国天国な美しい響きで素晴らしいです。
これでソリストが一流揃いなら大名演なんだが…そもそも今の声楽界は絶対的なスター不在の淋しい状況だ。最近の録音は、指揮も演奏も素晴らしいがソリストがなあ…というのが多過ぎるね、残念な感じですね。でもまあーヤンソンスに責任はないし減点するほどではない。
ま、教皇聖下にしてみれば、我が故郷のバイエルンからわざわざ出てきてくれて、大学教授時代の教え子もいたりして、案外、ご満悦だったのではないかと…思います。