あなた自身の社会―スウェーデンの中学教科書
スウェーデンの学校で使われているホンモノの教科書。
まず法律を誰が決めているか、次に13歳の、14、15、16、17、18歳のあなたが(法律によって)何ができて何ができないかが登場する。次の章のタイトルは「犯罪」。誰が犯し、誰が被害に遭い、あなたが今どんなことをやれば犯罪となり、捕まって、どこに送られ、どんな処分をされるか、が出てくる。
それから犯罪更正施設についての、「ムダだからやめろ、もっと厳しく罰しろ」から「もっと犯罪者ケアを充実させた方がいい」まで、いろんな大人たちの意見が並ぶ(大切なことだが、大人たちの意見はすべて実名入りである)。
アルコールや麻薬についての「神話」がまな板にのせられる。
「ハシシは感覚を広げる:この神話は、ミュージシャンやポップアーティストから広まりました。常習者たちはやる気を出し、ファンタジーを高めましたが、何も実行できませんでした」
金持ちや貧乏な家庭の家計簿と暮らし向きが検討され、クレジットで物を買うことや、広告がどんな風にして購買意欲をかき立てるかを学ぶ。地域での暮らしや、離婚や病気、障害者について、あるいは失業したり、年老いたりしたらどうなるのかも重要なテーマである。
もちろん愛と結婚についての章もある。これについては、スウェーデンの少なくない人が、インドでの(親が決める)幼年結婚に否定的であることが触れられたあとに、スウェーデン人は親の義務を放棄しているという南インドのマドロスのアロキアサミィさん(学校の先生)の意見、「愛が結婚につながるのではなく(そんな愛は結婚生活の中で消え失せるだろう)、結婚の中で愛がはぐくまれるのだ」という意見が載せられている。
先生!中国語文法のここがわかりません!
わかったようでわかっていないことが多かった中国語の文法ですが、この本でだいぶ知識が整理できました。読み物に近いので、1回読んだだけだと、確かにわかったつもりになるだけかもしれませんが、中国語の例文をよく読んだり、練習問題を解きながら何回か説明を読むと、だんだんわかってきました。練習問題を解きながら、説明を読みなおすといいかもしれません。その点練習問題や例文がたくさんあるのはとてもいいと思います。とにかく丁寧に説明しようとしている姿勢はうかがえました。読みやすいですし、あまり似たような本もないので、文法に悩む方は、1冊持っていてもいいと思います。
Thinking Out Loud
ボニーピンクの魅力のひとつを、この最新作を聞いて思い出した。
幸福なのに、どこか漠然とした不安がつきまとう
陰があって鬱なのに、現実を受け止めて明日を肯定する
そんなイメージを、詞だけでなく曲や、また歌い方から表現すること。
時にそんな楽曲は、地味だったり、分かりにくかったりする。
だけど何回も聴いて味が出てくるような曲が多かったからこそ、長く好きでいられたし、ずっと支持されている理由なのかもしれない。
ここ何作かのシングル曲は、吹っ切れたかのようなアッパーな曲が続き、世に出る機会も増えた。メロディやアレンジも含めて、一度聴いただけでわかる完成度の非常に高い楽曲もそれはそれで楽しいのだけど、なんとなくステージが別の方向に上がっていってしまったと感じていたのは、単純に売れたから、という理由だけではない。わかりやすさを追求したが故に感じられなくなった部分があるのは当然のことではあるが。
本作では陰のあるボニーが戻ってきた。どの曲にも、簡単にはわからせてくれないような深みや心地よい違和感を感じる。収録されているシングル曲「A Perfect Sky 」「Anything For you」「Water Me」は明らかに他の曲とは雰囲気が違う(それは決して悪いことではないが)。悲しいテーマであるはずの「Water Me」でさえも、わかりやすさ故に他の曲が持つ深みはないように感じる。
シングルのヒットがあって、その後の初のオリジナルアルバムとしては、“シングル曲以外は地味”という感想も妥当なところだと思う。だけど昔からのファンにとっては十分に満足いく作品になっているはずだ。
昔は、製作時の精神状態がそのまま楽曲に反映されている、という内容のインタビューを読んだことがあるのだが、今はどうなのだろう。さすがにもう、計算でやってるのかもしれない。このままいってください。
Water Me
リリースされてから1ヶ月経つのに、ふとした時にこの曲の歌詞が頭の中に浮かんでくる。ドラマのタイアップだったこともあって、歌詞の内容は決して明るいものではなかった。
[A Parfect Sky」や「Anything for you」のように明るくアップテンポの曲も好きだけど、例え暗く重たくても聴く者に何かを訴えかけてくる。そんなメッセージ性の強い歌詞をしっかりと届けてくれるボニピンはやっぱり最高だ!!個人的には遥か(?)昔にリリースされた「過去と現実」と同じくらい好き。