カオス
Track1~2が76年5月(クレジットは4月)のSpedding Sessionsです。プロデューサーにクリス・スペディングを迎えて、本作収録の2曲と「Pretty Vacant」を録音したもので、時間の都合でちゃんとしたミックスダウンはされませんでしたが、これがセックス・ピストルズにとっての初レコーディングだったそうです。音は結構良好ですよ。Track3~7がアルバム『Great Rock N Roll Swindle』のdifferent mixです。こちらもなかなかの音質です。そして、Track8~10がスウェーデンでのライブで、ベースはシド・ヴィシャスです。音質はいまいちです。全て、結構レア音源だと思いますので、聴いてみる価値はあると思います。
刑務所の中 (講談社漫画文庫 (は8-1))
趣味のモデルガン収集が高じてしまい、改造銃等を山林で試射したことが発覚、94年12月銃刀法違反で北海道警察に逮捕、裁判で執行猶予なしの実刑をくらってしまった花輪和一が刑務所の日常生活をマンガで綴った作品。単行本は00年青林工藝舎から刊行された。
とにかく淡々としている。反省だとか厳しい獄中生活といったことは何も描かれていない。日常生活の中の些細なこととそれに対する自身の心情ばかりが描かれている。読んでいて脱力感を覚えてしまいそうになるが、この脱力感が妙に心地よい。何度読んでもおもしろいマンガだ。
他の受刑者だけではなく、著者自身も観察される側として登場する第三者の視点、いわゆる神の視点で描かれた観察日記(しかも絵日記)のようにも読める。主語が「わたし」で描かれているはずの「私マンガ」なのに、そのわたし自身も観察されているというおもしろさ。この題材でなかなかそんな風に淡々と描けるものではないと思う。
花輪和一の描く絵は好みではないのだが、この作品は彼自身の持つパーソナリティ、そしてこの絵がなければ成り立たないと思う。
解説の呉智英氏が書いているように、刑務所内でスケッチが許されるわけもないので、すべてが記憶によって描かれているが、本当に細密に描かれている。記憶力がすごい。よくそんな細かいことまで覚えているなと感心してしまう。漫画家の本能なのかもしれない。
刑務所の中
刑務所では、
・大晦日に年越しそばとおせち料理が食べられ、新年0:15まで夜更かししてよい。
・元日には雑煮が食べられる。
・祝日には袋菓子が食べられる。
・テレビを見たり、囲碁将棋をしたり、雑誌の回し読みもできる。
・模範囚は月に1度、炭酸飲料を飲み、お菓子を食べながら、映画をみることができる。
・休日の午後には2時間昼寝をしてよい。
・お茶は飲み放題。
この漫画を読むまで、知らなかったことが沢山ありました。
勉強させていただきました。
何度も繰り返し読んでしまう、噛めば噛むほど味のでる、スルメのような漫画です。
一押し!
刑務所の中 特別版 [DVD]
主演が山崎努という事でかなり安心して観られました。ユルさが良かったですね。懲罰房でのトイレも我慢して袋貼りに必死になってるシーンは共感が持てて好きなシーンです。他のキャストも個性が強くて、特に香川照之が演じたお坊っちゃま受刑者は間の取り方が絶妙で巧いなぁっと感心しました。何度観ても楽しめる作品です。
花輪和一初期作品集
70年代に発表された作品をあつめた短編集。
読む人を選ぶと思いますが、好きな人はとても好きだと思います。
描かれた時代を考慮してもあえてレトロに走った「昭和カストリ雑誌」的な退廃さがたまりません。絵が圧倒的にうまいですねえ。2色カラーのページもあって値段に遜色ない価値のある本になっていると思いますよ。