Mike Portnoy Liquid Drum Theater [DVD] [Import]
mike portnoyの、このDVDはプログレ系のドラムを目指す方には、最高の教則ビデオになると思うし、私のようにただドラマーが好きなだけの人間にも十分楽しめる内容です。彼のスタイルはterry bozzioと、とても似ていると思うのは私だけでしょうか。(ちなみに、私は二人共、生のライブを観てます。)変拍子を叩くドラマーはいっぱいいますが、パワーの点でなかなかこの方にまさる方は少ないのではないでしょうか。勿論、リージョンフリーなのでどのDVDでも観れます。そして、トニー・レヴィンとのライブが2曲たっぷり観れます。スティック・ベースの凄いこと。また、ドリーム・シアターのライブ映像もお宝です。
Flying Colors
マイク・ポートノイ、ニール・モーズらによるユニット、フライング・カラーズの2012年作
TRANSATLANTICのニール・モーズに、Deep PurpleやDixie Dregsで活躍する・スティーヴ・モーズ
そして元DREAM THEATERのマイク・ポートノイという、凄腕のメンバーが集結したユニットで、
キャッチーなメロディで聴かせる古き良き感じのプログレハードサウンド。
やはりメロディにはNEAL MORSEの色が強く、彼のソロやTRANSATLANTICでの
キャッチーな部分に通じる味わいが感じられる。演奏の方はさすがというような玄人好みのプレイで、
随所にテクニカルなギタープレイを盛り込んだり、ポートノイのドラムに乗せるデイブ・ラルーのベースも
軽やかなグルーブが効いていて、アンサンブルとしての肩の力の抜け具合がとても爽快だ。
ナイトメア
全米チャート初登場1位に輝いた5作目。
本作制作前に、ドラマーのザ・レヴが他界するという悲劇に見舞われたということもあり、今回はその出来事を色濃く反映したものとなっている。
ダーク、ヘヴィ、ウェット、そしてダウナーな音像が作品全体の空気を支配しており、リリックの方も「死」をテーマにしたものが多い。
アルバムカバー、ブックレット等のアートワークからも、まさしく本作は、急逝した友人に捧げられ、彼の魂を鎮魂するために作られた作品であるのだろう。
ただ、サウンド面の基本路線については、3作目で確立された正統派HM/HR路線であり、その部分については大きく変化していないように思う。
泣きメロツインギターやエモーショナルなM・シャドウズのVoスタイルは、JUDAS〜MAIDENらが築き上げたオールドスクールメタルのフォーマットを完全に継承しているものであり、あるいは今回、更にその方向性は押し進められていると見ることもできるだろう。
今までにも見ることのできたゴス調の楽曲アレンジが、より強調されてきているという側面もありはするが、だからと言って彼らのメタルバンドとしてのスタンスを変容させてしまっているとまでは言えないと思う。
また、本作においては、オマージュとも取れる程の、METALLICA〜PANTERAにインスパイアされたのような曲調やアレンジが目立っていて、その辺はちょっと興味深かったりもする。彼ら同様、今挙げた2バンドも、在籍メンバーと死別する(クリフ・バートンとダイムバック・ダレル)という悲劇を体験しており、何らかの見えざる意識みたいなものが、彼らにそんな曲作りをさせたのではないかというようにも感じさせられてしまった。
しかしながら、前作と同様に、メタルの範疇を超えた作品に挑んでいるという面も、それは確かに本作には存在していて、その部分についても言及しておく必要はあるだろう。M9〜M11までに至る流れでは、かなりプログレッシヴな部分を意識させる曲作りにチャレンジしており、ここだけを取り出して聴けば、恐らくかなりの戸惑いを覚えるファンもいたのではないだろうか。特にM10などは、ゴス&シンフォニックな世界観が全開となっている曲で、ピュアなメタルとは完全に一線を画する作品である。
が、逆に言えばそれは、音楽家としての彼らの才能の豊かさを、メタルファン以外のリスナーに向けても発信したものであったと言えるんじゃないだろうか。
そしてそれは、今後さらに、ここにカテゴライズされる音楽の可能性の高さを予感させるものであり、極めて有意義なトライであったという風に僕は思っている。