Blood, Sweat & Tears
『Blood, Sweat & Tears』を聴いています。40年以上前のアルバムですし、懐かしのバンドになってしまいました。一定の年齢を重ねいろいろなジャンルの曲を聴いてきた今の方が、もしかしたらこのアルバムの凄さと先進性、音楽性の高さを理解できているのかもしれません。
あらゆるジャンルの音楽の融合といいますか、それぞれの要素が曲ごとに変化しています。通して聴いても同じバンドの曲とは思えない多様性が伝わってきます。メンバー各人の音楽志向に合わせてそれぞれの曲が成り立っているせいかもしれません。
ロックもジャズもブルースもカントリー・アンド・ウェスタン、そしてクラシックも含めた幅広い音楽要素がテンコ盛りになったアルバムでしょう。昔はブラス・ロックと言うジャンルでしたが、分類することの意味を超越したバンドですね。
「Spinning Wheel」「You’ve Made Me So Very Happy」などは日本でも当時ヒットしましたし、デヴィット・クレイトン・トーマスの強烈なヴォーカルやバックのホーン・セクションの巧さは今聴いても高い評価に値する音楽でしょう。金管アンサンブルのハーモニーの美しさは格別です。
「And When I Die」「Blues Part2」も彼らの実力を知る上で魅力的な曲ですし、冒頭とラストの「Variations On Theme By Erik Satie」のアレンジなどクラシック・ファンをニヤッとさせることでしょう。CDになって11曲と12曲にボーナス・トラックのライヴが付け加えられましたので構成が変化しましたが、様々な曲群を上手くサンドウィッチにした企画だと思います。アルバムとしての完成度が高いのは21世紀になっても古さを感じせないことからも理解できるでしょう。