UTADA HIKARU SINGLE CLIP COLLECTION Vol.2 [VHS]
[ ※2007/04/23に投稿したDISCASレビューを転載または一部編集した ]
ヒッキーのPVでこれが一番好きだと言う人も多いだろう。この頃は細かったし、映像も斬新だし、歌も良いし、難点は無い!
中でも「FINAL DISTANCE」が一番好き。
※レーティングは、A+,A,A->B+,B,B->C+,C,C- の9段階。
このころは動いている宇多田ヒカルを見るのも珍しかったころ。今ではそんなこともなくなったが、若い宇多田を見るにはもってこいの一作となっている。ところで、宇多田ヒカルはaddicted to youを境に大きなイメージチェンジを図っている。その転換期をチェックしておきたい人も必携。(曲がすばらしいのは当たり前です。)
線―sen―
宇多田ヒカルの「18歳の女の子から25歳の女性へ」、彼女の日常生活の日記は、同時代に生きる多くのファンが、Webで見守る中、書き綴られたものである。
これは、「ヒカル姫による徒然草」である。
日本には、『土佐日記』『蜻蛉日記』という日記文学がある。
ブログは、日記文化を歴史的に受け継いでいるのかも知れない。
宇多田ヒカルの思考、感情、成長過程から学ぶこともできると思う。
かなり膨大な量です。ヒカルのファンとして、僕の手元に置いておきたい貴重な1冊である。
本になることで、歴史に残る現代文学の香りがしませんか。
点―ten―
宇多田ヒカルの素直な気持ち、体験、心の動きを、この本から読み取ることができる魅力的な1冊。
ヒカルの文章「はじめに」を読むと、一夜にしてトップスターになった「宇多田ヒカル」の心境、特異な家庭環境と、自由奔放な両親、その中で、少女の孤独と自己発見、ヒカルは会話をしているようだけど、自分自身で問答を繰り返しているようでもある。
26才にして「語録」が出版されるほど、10年前の1stアルバム「First Love」(’99年3月10発売)は、2009年1月現在991万枚の出荷、音楽業界の歴史を変えるほど、衝撃的だった。
「ヒカルが、日本語を洋楽にしてしまった功績は大きい」と思う。
ヒカルの「健康って本当に大事」(p28)には、説得力がある。
「はじめに」の紙面から、ヒカルの素直な気持ちが伝わってくる。
歌うヒカル、本棚の前のヒカル、カメラの前のヒカル。
本の黄色い表紙は、「私は、ここよ」と言っているかのようでもある。
映画「幸福の黄色いハンカチ」(1977年)を、僕は思い出した。
大胆な選択の「色」のようにも思う。
今、アメリカで活動しているヒカルの留守を、この本が見守っているのかも知れない。
ヒカルの好奇心と生きる意欲、「やりたいことが、いっぱいある」って、その言葉のエネルギーは、とても刺激的だ。
p33「それに、勉強したいことがたくさんある。時間が足りないくらいだ。」は、ヒカルからの贈り物だ。
イギリスの歴史家で『ローマ帝国衰亡史』の著者エドワード・ギボン(1737〜1794)の「孤独は天才の学校である」という言葉を、宇多田光から僕は思い出している。
宇多田ヒカルの『点』で、ヒカルの考え方と感性に触れてみませんか。
Utada Hikaru Unplugged [VHS]
18歳当時の宇多田ヒカルです。
このDVDは宇多田ヒカルのアンプラグドのコンサートとしてだけではなく、そこに行き着くまでのプロセスも見ることが出来るという意味で大変貴重です。
ひとつひとつステージを作りあげるのはアーティストとそれをフォローするバンドのメンバーなどのまさに
「共同作業」であることがこのDVDでは良く分かります。
それにしても18歳という年齢で周囲からの期待を一身に受けての「アンプラグド」というごまかしのきかないステージを行うのは相当なプレッシャーだとは思います。
しかし、そこは宇多田ヒカルです。
バンド全体を見事にコントロールしており、18歳という年齢を「未熟さ」という表現ではなく、当時しか出すことの出来ない「魅力」に変えております。
いずれにしてもアーティストとしても、ひとりの人間としても宇多田ヒカルが大変よく分かるDVDです。