Russian Night [DVD] [Import]
オオカミの保護活動をしていることでも有名なエレーヌ・グリモーさんが、ルツェルン祝祭管弦楽団とラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を演奏しています。
ご自身が著された自伝"Wild Harmonies"(野生のしらべ)の中で、幼少の頃、極度の引きこもりで、本と自然、そしてピアノ以外には、自分の居場所が無かったと綴ったグリモーさん。
その彼女がピアニストとして成長し、多勢の聴衆の前で得意のラフマニノフを演奏している姿を見ると、深く心に響くものが有ります。
本編以外に、5分間ほどグリモーさんのインタビューも収録されています。
(英語の字幕付きなので、邦盤よりも、この海外盤(Disk Made in Germanyのシールが貼ってありました)の方が価格が安いのでお勧めです。)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番、≪音の絵≫から 他
【グリモーの音色】
きわめて美しい繊細な音で聞かせます。
- - -聴かせどころを「ここだ」とねらい、見事に的中させているようで、印象深いです。
【グリモーの唄】
グリモーは唄う。バッハでも、モーツアルトやバルトークでも、“これが私です”という唄が
聞こえてきます。- - -(バッハ・トランスクライブド、レゾナンス)
私にとって美しい音色と相まって、心地よい響きです。彼女のセンスは私の心を揺らせます。
圧倒的な、というよりフレンドリーな「うん、うん、わかる」と共感できる音楽でしょうか。
【定番とグリモー盤】
ラフマニノフ2番は、リヒテルの演奏(1959録音)を第一に挙げる方が多いと思います。私も大好き
です。ロシアの大地ですね。
あえて順番はつける必要もありませんね。グリモーの演奏は私にはなくてはならない一枚です。
グリモーを聞くとリヒテルが聴きたくなり、もちろんその逆も。なんとも鑑賞心をくすぐるCDです。
野生のしらべ
「ライ麦畑でつかまえて」の主人公に似た性格の著者がフィクションではなく現実に生きていて、自分が信じることに情熱を捧げていることに感動。2、3ページ眺めて終わりにしようと思っていたのに一気に読み通してしまった。
若い頃に「ライ麦畑でつかまえて」を読んで何かを感じた人ならわかってもらえそうなエレーヌ グリモーの自伝。
バッハ・トランスクライブド
食事中にFMで流れたシャコンヌに思わず耳をそばだててしまいました。普段はニュースが終わるとラジオを止めるのですが、演奏者が誰か知りたくて最後まで聞いてしまったのです。
ピアノでこれほど清らかなシャコンヌを聞いたことがありません。
技巧を誇示せず、無駄な脚色も無いのですが明確な力強い音色が演奏者の力量を表していました。この1曲だけでも充分に価値あるアルバムと思います。
若き日のエレーヌ・グリモー
最初にグリモーに出会ったのはラフマニノフのソナタ。もともと好きな曲ではなかったが、良さを教えられた。巨匠ホロヴィッツの演奏より好きだ。あとから15歳?のときの録音と知り、仰天。その後のグラモフォン録音の同曲は大人の演奏で素晴らしいが、DENONのこの若々しい録音の魅力は捨てがたい。シューマンやブラームスのソナタもよい。ラヴェルの協奏曲は、とても期待して聴いたが、意外に硬派な演奏で、ちょっと感性が合わなかった。ショパンのバラード第1番の新鮮さは絶品と思う。