Deserter's Songs: Deluxe Edition
98年リリースの4th。NMEの年間アルバムチャートで1位にランクインされるなど、ヨーロッパを始めとする各国で大きな反響を見た屈指の名盤。
テナー&アルトサックス/トロンボーン/ピアノ/バイオリン/シンギング・ソー/テルミンまで、数多のインストゥルメンタル群が超自然的に絡み合い、一切の余剰を廃した純度100%の美しいサイケデリアを、独特のヴェールに覆われた夢幻の世界を創出していく。ジャズやブルースのクラシカルな匂いをも織り込みながら、途轍もなく美しい純白のメロディが繊細かつ壮麗なオーケストレーションと絡められていくその様は、本当に筆舌に尽くし難いまでに美しく、純粋で、この上ない昂揚感でもって全編を包み込んでいく。
ここで鳴らされるは まさに 恍惚の 音。
未だ誰も見出し得ぬ 至福の 音の 桃源郷。
耳障りのよいメランコリックなメロディと、完璧に構築された音のアンサンブル。しかしてフトその底を覗き込めば、どこまでも広がっていそうな果て無き深部が垣間見える。全ての音の果実が、鳴るべくしてそこに成っている。そんな無欠といっていいほどにパーフェクトな、本当に素晴らしい作品。
Secret Migration
前作がとことんいっちゃった作品でしたが、今作はメロディーやアレンジがはっきりしたポップなものになっています。憂いのあるメロディーにドラムがドコスコ割り込む これがなんとも気持ちよい。とことん闇に沈んでいく前作やヒット作の前々作のファンには軽く聴こえるかもしれないが、それ以上に多くの人に訴えかける普遍的なレベルに達しています。
彼らを聴かなかった人にぜひ聴いてほしい作品です。
オール・イズ・ドリーム
ド派手なオープニングから、重ねた音が美しいメロディを奏で続ける至福の時間。それを与えてくれるアルバムです。出世作である前作「ディザーターズソング」は耽美的、厭世的な感じでしたが、今作はだいぶ派手になっています。しかし、全面的に変わったわけではなく「リンカーンズアイズ」などは、前作の延長線上にある曲です。