女経 (中公文庫 A 61)
※カバーの解説文の転載です。
女が男に向って心の扉を開く瞬間に、永遠不滅の詩が、人生の歓びや悲しみを歌い出す。私はそれを書いたのだと、著者はいう。甘美と苦渋の体験からにじみでた哀愁深い艶笑文学十二話 ― 。
※挿絵・棟方志功 解説・村松喬
女経 [DVD]
「耳を噛みたがる女」(増村保造監督、主演:若尾文子)、「物を高く売り付ける女」(市川崑監督、主演:山本富士子)、
「恋を忘れていた女」(吉村公三郎監督、主演:京マチ子)のオムニバス映画。
崑監督曰くこの作品は大映の企画で製作され、監督・主演女優ともに年功序列的なセレクトだったそうです。
とにかく自分たちで存分に愉しいものを作るということがコンセプトにあったとかで、四の五の言わずに見れる、
見ていただきたい作品だそうです。
増村監督の作品はとにかくテンポが良く軽快。彼の初期の作風そのままって感じで見ていてあっという間。
増村監督作品に欠かせない左幸子の脇役も本当に巧いです。
崑監督は正直前半退屈でしたが、中盤からグググと面白さが増して後半まで見ると実に濃厚且つ秀逸な映画的作品でした。
見終わって感じたのは「3本中一番良いかも」。
吉村監督は相変わらず光の使い方が特長的だなと思いつつ、京マチ子との息のあった演出がやはり見もの。
演技はピカ一、3人の中では一番安心して見れます。
前半は蓮っ葉な京都女なんですが後半で魅せる女性らしさが実に妖艶でひきつけられます。
カメラは宮川一夫さん。
とにかく映画ファン、特に60年代の日本映画が大好きな方には間違いなくお薦めできる一本です。