すみれちゃん
森雅之さんの作品を読みながら、いつも思ってました。
「子どもが大きくなったら、森雅之さんの本をプレゼントしたいな。」
そして
「大きくなる前に、子どものうちに読ませる絵本が欲しいなぁ。」
本書は、そんな待望の絵本。
でも、子どもだけじゃなくって、おとなもいっしょにたのしめます。
森雅之さんの、あたたかい視線から生まれる、やさしい世界。
ありふれた日常のようでいて、やさしさがいっぱい。
森雅之さんの世界に欠かせない”甘酸っぱさ”はありませんが、あたたかさはいつもどおり。
たいせつなものってなぁに?と、問いかけるように教えてくれます。
子どもにプレゼントしたら、自分用にもう一冊欲しくなってしまいます。
※ なお本書は、2005年に絵本雑誌『ほっぺ』(学習研究社)のとじ込み付録『ほっぺBOOK すみれちゃん』として掲載された作品をあらたに絵本化したものだそうです。
夜と薔薇―森雅之自選作品集
この本は私の最も好きな作品集です。一つ一つの作品が心にしみるような感動をもたらしてくれます。気分が落ち込んだ時など、この本を読むと、とにかくいやなことを忘れさせてくれます。いろんな人に勧めています。
散歩手帖
吉野朔実の本で紹介されていたので読んでみました。
すっきりした画風のイラスト風マンガで台詞はたいへん少なく
日常の微妙な心の揺れを拾っています。
散歩、というよりは歩行中のできごと的な題材が多いです。
さわやかな読み心地でした。
安城家の舞踏会 [VHS]
原節子の伯爵令嬢といふ役どころが、なかなか面白う御座居ます。
敗戦後の我が国、没落華族が屋敷を売り払うといふ最後の一夜に、かつての華族たちを招いて舞踏會を開くといふ趣向の映画です。
瀧澤修の「殿様」も結構決まって居りましたし、若き日の原節子の令嬢姿も美しう御座居ました。
昭和22年といふ同時代を扱った社会性すらもつ作品と言っても宜しう御座居ませう。
浮雲 [DVD]
初めて観た時の感動と衝撃が忘れられない。
これほど男女の機微を描いた映画は、他にないと思う。
やはり世界的な、評価を得ている映画は違う。
来日した世界的なスターや監督が、好きな作品としてあげることも多い。
弱い男と、強かなようだが実は弱い女。
どうしても未練を断ち切ることができなった、女の悲劇。
また、心から愛してくれる女を永遠に失った男の悲劇ともいえる。
最後に男が慟哭をするのは、映画「道」にも通じる想いのように感じる。
ドライになった現代でも、この映画の普遍性は色あせない