心と脳――認知科学入門 (岩波新書)
情報量が非常に多く、読むのに骨が折れました。
特に、認知科学の歴史が書かれた第2部が
てんこ盛りでした。第3部は比較的読みやすかったです。
この本は「よく分かる○○入門」という類の本では無く、
認知科学のプロを目指す人が押さえておくべき情報を
手加減無しで網羅した本、という印象を受けました。
(しかし、著者によると、「取り上げることの
できなかった成果の方がはるかに多い」との事。。。)
心と脳の研究に計算機科学(情報工学?)が
どのように関わってきたのかが分かり、
面白かったです。また、著者によると、
「心のはたらきについて専門家が使ってきた用語の
意味は、実はかなりあいまい」「心のはたらきを
表現してきた用語の体系を再構成する日が来るかも
しれない」との事で、心と脳の研究は、まだまだ
発展途上なんだなあ、と思いました。
問題解決の心理学―人間の時代への発想 (中公新書 (757))
本書は巷にあふれている主張理由が不明確なハウツー本ではなく、認知心理学や脳科学といったものを根拠に、いかに問題解決を行うかについて考察されている本です。この本を読んだからといって問題解決をすぐにできるようになるわけではないが、問題解決が行われるプロセスについてきっちりと書かれているため、本書を読むことで問題解決力を伸ばすための土台が養われると思います。「こうすれば問題解決ができる!」といった甘い言葉はないので、啓発本としては読まないほうがよいです。
この本は、広く社会人から学生までを対象としているが、高校生や中学生といった、テストのために暗記を強いられる人たちにも非常にためになる本です。問題解決をする上で頭に知識や経験といった情報が入っていることがいかに重要か、本書はその点についても書いています。テストの点数に直結はしないでしょうが、今やっている勉強の意味が少しわかるかも知れませんので是非読んで見てください。