Tom Petty & The Heartbreakers
マッドクラッチでの失敗の後、心機一転、Mike Campbellらとの再結成その名もHeartbreakerとして最初のフルレングスアルバム。発売時はディスコサウンド、パンク・ニューウェーブ全盛のため全く注目されず、出足を挫かれたようなもの。地道なロード活動により徐々に認知され始める。
初期名作「Damn The Torpedoes (1979)」のようなスタイルはこのときから既に備わっている。切れの有るM.Campbellのギターリフ、タイトなドラム、何よりTom Pettyの優れたソングライティング力と独特の存在感、孤独感。
それと本作の良さはなんと言ってもストレートなバンド音では無いだろうか?予算をあまりかけられなかったのか、限られたレコーディング時間しかなかったのか知らないが、シンプルで一発録りに近い状態。
後期の彼らの作品はルーツィでバランスのとれたアメリカンロックで非常に好みだが、本作もラフだけどもシンプルでストレートなバンド音を楽しめるR&Bロックの良作。
Live Anthology
【こちらはDX盤のレビューです】
まずは(1)メインのライブは通常盤(4枚組)より1枚多い5枚組、280分、62曲。屈指のライブバンドであることを改めて実証する、素晴らしいライブなのは間違いないが、1枚当たり60分に満たないんだよなぁ。この価格のDX盤を購入するのはコアなファンばかりなんだからさ、CD容量ギリギリ入れて欲しいんだよねぇ(イヤ、10枚でも20枚組でもいいんだけどなぁ…)。
2枚のDVDはいずれも力作。まずは78年大みそかのライブ(2)。出世作「Damn the Torpedoes」発売が79年11月なので、ブレイク前夜の貴重な映像ではあるんだが、確かに若々しくしなやかなれど、青臭いところなどまったくない、既に貫録十分なステージングに驚かされる60分。新曲として「Refugee」が紹介されたり、J・アイオヴァインがクレジット(Mix)されたり、興味深い点もチラホラ。これ、単独でも販売できるんじゃね? もう一枚は「Wildflowers」レコーディング〜ツアーを400日に渡って追い続けたドキュメンタリーの力作(3)。画面構成が、後のフィルモア・ライブの映像と似通った作りなので、フィルモアの企画が持ち上がったがためのお蔵入りっぽい感じだね。
で、ここまではいい感じなんだが、残りのセット内容がちょっと微妙なんだよねぇ…。(4)ブックレット:豪華装丁にTPの曲目解説付なんだが、これはもっとライブの写真を載せて欲しいし、フルカラーでもいいんじゃないかな?(5)デビュー当時のプロモーション用レコード:これがあるためか、BOXが大きい!貴重なライブ音源らしいが、今更LPレコードを貰っても、プレイヤーがないよ(笑)(6)62曲分のライブ音源を収録したブルーレイディスク:高音質、サラウンド機能付きらしいが、BDプレイヤーがない!まぁ、前時代のソフトであるLPレコードと、次世代のBDを同時にパッケージすることにより、浮き渋みの激し世界をいかにサバイブして来たか、如実に表していて興味深くはあるんだけどね。
あとはほんとおまけ(笑)(7)ジャケットイラストLPサイズのリトグラフ:どうでもいい!(8)フィルモアライブのレプリカポスター(12×8cm):これもどうでもいい!(9)サテン仕様のバックステージパス:やっぱ、どうでもいい!(10)ライブアンソロジー・ノートブック:仰々しく入っていたけど、ただのメモ帳だよ!(笑)
Greatest Hits
発売当初に購入しよく聴いていたのですが、時の流れの中で紛失していたので今回買い直しました。曲のほうは相変わらずで文句のつけようがないのですが、ただ一点、ジャケットが商品表示と異なり、他で見られる別のバージョンのものに変わっていました。個人的にはまあ良いかという感じですが、当時のジャケットに拘りのある方はお気をつけ下さい。
(追記)その後、ジャケットに関しては適切に商品表示されるようになったようです。