世にも怪奇な物語 HDニューマスター版 [DVD]
最初の話は実際の姉弟演じる背徳感。
二作目は、アランドロンの迫真の演技。
三話目はマリーナ・ヤルー演じる怪しい美少女の虜になります。
首飾りというタイトルより、見終わった後は
悪魔の手鞠、かなと思いましたが。
古き良き時代の空気が満ちてます。
画質がもやっとしているのが、それをよけいに感じさせます。
世にも怪奇な物語 [DVD]
エドガ・アラン・ポーの短編小説を、
フェリーニ、ルイ・マル、ロジェ・バディム3人の映画監督が、
独自の解釈で映画化したオムニバス映画だが、
フェリーニが監督した一挿話『悪魔の首飾り』だけが観たくて、
時々DVDを借りてくる。
この映画は、ウィスキーボトルを手放さず、
常に酩酊状態にいる主人公が目にしている悪夢の世界を、
観客も追体験しているような、
トリップ感覚に陥っていく危うさを秘めている。
ポー自身が、晩年精神的に不安定で酒に溺れ、
それが原因で40歳の若さで死んでいるように、
フェリーニは、主人公にポーの姿を投影していたのかもしれない。
また役者である主人公を取巻いている映画関係者を
魑魅魍魎として描いたり、ローマの街の喧騒(後に作られる
『フェリーニのローマ』に繋がる)を見せることで、
フェリーニ自身の個人的な感情も反映された作品になっている。
主人公にマーロン・ブランドやピーター・オトゥールが
候補に上がっていたようだが、フェリーニをしてそのパーソナリティに
惹かれてしまったとまで言わしめたテレンス・スタンプが、
悪魔に魅せられて、自己崩壊していく様を見事に演じきっている。
この映画を魅力的なものにしたもうひとつの要因は、
原作では男だった悪魔を少女に変えたことだろう。
同じ時期に、イタリアホラー映画の巨匠マリオ・バーヴァが
自作の『呪いの館』に瓜二つの手鞠少女を登場させて
真似しているように、この少女のインパクトは凄いもので、
その妖しさは、主人公でなくても魅了されてしまうであろう。
フェリーニは、本作以外に『町の恋』と『ボッカチオ70』で
オムニバス映画を撮っているが、フェリーニだけの
オムニバス映画集としてDVD化して貰えればと願っている。
世にも怪奇な物語 [DVD]
大好きです。ポーのキチガイぶりを見事に演出、というよりも原作に触発されて監督、役者ともに己のアブノーマルを芸術的に解放させている!と感じましたね。 ジェーン・フォンダの傲慢さ、あいかわらず無口なピーター・フォンダ、その二人をB級ポルノなムードで“耽美”に描くロジェ・バディム!まんまサディズムが馬鹿に似合うアラン・ドロンに強きなブリジッド・バルドーが鼻っ柱をくじかれてイジメられるシーンの妙にイヤラシイくせしてルイ・マル特有のカラカラに乾いた世界が感じられる不思議!そしてなんといっても変人フェディリコ・フェリーニと変態テレンス・スタンプでお送りする最狂のドライブ!ドライブだけじゃない!どのシーンにも画面に悪魔の存在を感じてしまうこの第三話は本当にスゴイ!フィルムの奇跡だ!CG糞食らえ! とまぁ解りにくいレヴューですみません、テンションだけでも感じて頂ければ幸いです。そしてこの映画のおかげで私は今は亡き(泣)夕張映画祭で賞を頂くことができました、ホントありがとうございます。