フランケンフィッシュ [DVD]
ジャケットを見ると謎の大怪魚が海の底から
水着の美女を襲う瞬間のようですが予想通り
このようなシーンはありません。
B級映画のお約束『お色気シーンを入れる』も
本編では関係ないところで水着になってくれました。
(決して若くないおばさんなのが残念です)
さて肝心の大怪魚ですが生息地はなんと
せいぜい水深4〜5mの『川』です。
ジョー●みたいな無残な死体発見の導入部から始まり
主人公は現地調査に赴きます。
そしてのんきに暮らすボートハウスの集落が大怪魚に襲われます。
魚が相手なら陸に上がればいいじゃん...それでは
話にならないのでとりあえず何名か犠牲者になります。
死体の造型美をいかに長く見せるかもB級映画のお約束です。
嫌われ者も登場して死亡フラグに一番乗りですが
なかなか死にません。意外性の演出もB級のお約束です。
特筆すべきは主役であるはずの大怪魚が『大きめのマグロ』程度なのです。
ショボイCGも素敵です。
そして危機一髪の後はお約束のラスボスの登場!
ジャケット写真よりは小さいけど程々に強そうです。
しかし予算の関係かあっという間に倒されてしまい
主人公はボートハウスで知り合った女と結ばれめでたしです。
最後のお約束『続編への布石を残す』もあり
ここで生き残った嫌われ者を処刑です。
平凡なB級脚本ですが真面目に作っているので好感が持てました。
B級SFホラー好きの人にお勧めですがそれほど面白い訳でもありません。
泥棒成金 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
サスペンスを観るならヒッチコックの他の作品に目を向けるだろうし、ゴージャスを期待するなら、観るべき映画はヴィスコンティなどたくさんある。
寝転がって観ていれば、ただ眠くなるだけだし、それも決して寝心地がいいというわけではない。
そもそもリヴィエラの太陽のもとで、ケーリー・グラントの七三分け(八二?)は暑苦しいだけだ。
当時、純粋な映画製作の他に何か大きな力が働いたという気がしないでもないが、出来上がった作品だけで判断すれば、凡作であろう。
ただし、この映画を観る価値はある。グレイス・ケリーの妖艶さには間然するところがない。
ヒッチコックという稀有な映画監督と、グレイス・ケリーという美しい女優に敬意を表し、星3つ。
泥棒成金 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
「裏窓」でクラクラさせられたグレースケリーの美しさと大胆さにまた出会えて感激。しかも、そこに南仏の美しい風景や凝った衣装がふんだんに(でも過剰ではなく)盛り込まれて、なんともチャーミングで豪華な映画である。
ヒッチコック特有の残酷さや毒はあまり感じないけれど、だからといって、単なる退屈な“観光おしゃれラブコメディ”になっていないのはさすが。
惜しむらくは、邦題の「泥棒成金」がしっくりこないこと。原題の“TO CATCH THE THIEF”に込められた、犯人も恋人も捕まえちゃうぞ、という楽しいダブルミーニングを、うまく日本語でも表現してほしかったな。
尚、このDVDは特典映像も見応えアリ!予算の都合でカットされたシーンがあったことや、役者が提案した脚本の変更をヒッチコックが阻止したことなど、撮影裏話を知ることができます。