親ばか力 子どもの才能を引き出す10の法則
子育て奮闘中の母親です。私には娘が一人おりますが、
いつか、伸くんのような、きれいな音を奏でられる
世界的なピアニストになってくれたら・・・と
そんな思いで、娘にピアノを習わせています。
娘自らが「ピアノ習いたい!」と言い
とても楽しんでいるようなのですが、時折、
練習を嫌がったりと親の思うようにはいきません。
それでつい私は、娘に対して
「もっと練習しなさい!」「全然音が違う!」などと
ネガティブな言葉をぶつけてしまうことがあります…。
どうしたら上手になれるのだろう?
私が手助けしてあげられることはなんだろう?
と悩んでいたところ、この本に出合いました。
辻井いつ子さん流の明るくて楽しい子育て術が
分かりやすく書いてあるので、とても読みやすい本でした。
「『親ばか力』で才能を引き出す10の法則」の
ひとつひとつがなるほど!と思うものばかり。
しかも、心がけひとつですぐに日常に取り入れられるものばかりで、
なんだかやる気が出てきました。
この本を参考に、私も娘の才能を引き出してあげられるように
親ばか力を磨いていこうと思います。
ヴァンクライバーン 国際ピアノコンクール 市民が育む芸術イヴェント
本の主要な目的はコンクールの全体なり特徴を紹介するものであろうが、私にとっては、教育TVやDVDのドキュメンタリーの内容をより深く理解するというか、「ああ、そういうことだったんだ」と納得することにつながったことの方が大きい。
コンクールのトップ3は、中国の彼と、日本の辻井さんと、韓国の彼女であったわけだが、それは現地では結果発表前の評判にほぼ沿っていたということ、ではその3人がファイナリスト6名のなかでなぜ上位3人となったのか、著者なりの批評がされているがこれが私には分かりやすかった。
もう一人の中国人ファイナリストであるディーウーさんはDVDを見る限りでは迫力満点であったが実はコンチェルトの1曲目で小さくない失敗がありそのことが彼女のその後の演奏にどのように影響したのかとか、ブルガリアのボジャーノフさんの演奏がコンテストの中でどのような特異性を持っていたのかとか、興味はつきない。更に、DVDでは結構登場していたエドワルドクンツさん(ということは前評判は高かった)がなぜファイナルにすすめなかったのかとか、著者が予選で注目したアンドレアラムさん(セミファイナルリスト発表場面ではしゃいでいた目のくりくりっとしたかわいらしい女性といえばお分かりか?)はセミファイナルの演奏で何が問題であったのかとか…。予選からセミファイナル、ファイナルすべての演奏を聴いた著者の批評は音楽素人の私にも分かりやすいだけでなく説得力がある。
もちろん、ヴァンクライバーンピアノコンクールそのものの解説も、豊富なインタヴューもあっておもしろい。
2013年に開催されるであろう次のコンクールを現地で、ナマで、もちろん通しで体験したいと、まじめに考えてしまうのであった。無理だろうけど…。いや、不可能ではないかもしれない…。
感動のヴァン・クライバーン・コンクール・ライブ
「目の見えない少年が素晴らしいピアノを弾く」という話題で、随分前からテレビの特集番組を見て彼のことは知っていました。とにかくきれいな音色でひたむきなピアノへの取り組み方にも感動しました。それでもショパンコンクールに挑戦したときは、まだ曲によってはリズム感などに物足りなさを感じるときもありました。
そして今回、ヴァン・クライバーン・コンクールで優勝した後、テレビ出演した際の演奏を聴き、もっと他の曲も聴きたいと思い購入しました。
とかく、「盲目の〜」ということで話題になりますが、もうそういう形容詞は彼に失礼だと思います。澄んだ音色、軽やかで正確なタッチ、そして何よりも聴く者をその曲の世界に浸りきらせてくれる不思議な力が彼のピアノにはあります。
夜中の1時過ぎにこのCDを初めて聴きました。とても気持ちがよかったです。楽譜を見て覚えたのではなく、耳で自分で聞いて曲を覚えたということもあるかもしれません。とにかく、一音、一音が心に響いてきます。ショパンのなじみの曲も多く、誰が聴いても楽しめるCDだと思います。リストのラ・カンパネラも素晴らしい。
是非いつか、生で彼の演奏を聴いてみたくなりました。
感動のショパン~ヴァン・クライバーン・コンクール・ライヴ
辻井氏のキャッチフレーズとなってしまった観のある「奇跡のピアニスト」は多分に「盲目なのに…」というニュアンスを含んでいるが、彼の“奇跡”はそういうものではないと思う。
明るく伸びやかで美しい音色がそれだ。ヴァン・クライバーンコンクールでのホームステイ宅の犬が、彼のピアノが響くと良く聞こえる位置から動かなくなる、というのは有名なエピソードだが、動物すら癒してしまうのが彼の音色であり、最大の魅力である。
この音源の頃の辻井氏はいろいろな意味でまだ若く、テンポが速まったり、低音部が強くなってしまったり、ということが所々に見られたものだが(現在は飛躍的に上達してどちらも改善されている。)、このピアノ協奏曲にはその良くないクセがほとんど見られない。
単純に素晴らしい出来のアルバムとして評価できる。
名盤と評価されるツィマーマン、アルゲリッチ、ルービンシュタインらと比較しても、音色で勝っている分、彼のアルバムを私は推したい。
ちなみに辻井氏の音色は、華やかさ、明るさ、音質などから、20世紀最大のピアニスト・ホロヴィッツに近いと思うのだが、皆さんはどう思われるだろうか?