レスキュー・ユー
最初に聞いたときの印象は「産業ロックじゃん!!!」でした。もう少しブルーズよりになるかと思っていたので当時は意外でした。でもこれはプロデューサーのRoy Thomas Bakerや作曲パートナーのAlan Greenwood(ex.Foreigner)だったからでしょう。ジョー・リンの声に演奏がマッチしており、佳曲揃いでしっかり作られており、声もよく出ています。私は『ホーリー・マン』(作曲が梶山 章の部分)の次に好きなアルバムです。個人的なお勧め&お気に入り曲は1・2・6・7・8・9・10・11です。
SECOND HAND LIFE
開放的な1の印象がとても良く、そのままアルバム全体を聴いた後も好印象が残る作品だ。バラードの4も素晴らしい出来で、こうしたメロディックな楽曲を歌わせるとジョーは素晴らしい。むしろ、その年齢を考えると驚異的というべきか。
注目されるのは共作者にリッチー・ブラックモア&ロジャー・グローヴァーの名が連なる6だが、これはディープ・パープルの"The Battle Rages On..."収録の"One Man's Meat"の原曲と言える物らしい。レインボーの"L.A. Connection"風のリフを使った曲で、「名曲!」云々と騒ぐようなものではないが。
同様に3もディープ・パープルに提供するつもりだったらしい。確かに"Slaves & Masters"の路線に連なる曲だ。ソロはコンパクトでブラックモアのフィルターを通っていないようだけど。むしろ、5がレインボーを彷彿とさせ、ジョー加入以前の中世風のムードに彼らしい歌メロを乗せた佳曲で驚いた。
ストレートなボーナス曲7はいかにも日本向けな曲。こういうのは無理をしているようで、自分は嫌いなんだよね。
9、10もそこそこキャッチーで、最後はバラードの11で締めくくられている。この人、ソロでは多少R&Bに擦り寄ってしまい、地味な仕上がりになりがちで、しばらく経つと飽きる作品が多いのだが、今回は多少、洗練されたAORに近い方向に焦点をずらした事が功を奏したようだ。作曲パートナーが良かったのかな?ともかく、メロディックでかつ、ヴァラエティに富んだ楽曲を収録した作品でオススメ。