Forza Del Destino
歌劇「運命の力」モリナーリ=プラデルリ指揮、サン・カルロ劇場。1958年ライヴ収録。
キャスト:レオノーラ/テバルディ(S)、ドン・アルヴァーロ/コレルリ(T)、ドン・カルロ/バスティアニーニ(Br)、プレツィオシルラ/ドミンゲス(MS)、グァルディアーノ神父/クリストフ(Bs)。
コレルリとバスティアニーニのライヴが聴きたくて手に入れました。半世紀前のライヴ録音なので、音質は良くありません。同じ年代のモノクロ映画を観ているような感じです。コレルリの重くて粘りのあるドラマティックな声は、初めは受けいれ難かったのですが、今ではすっかり病みつきになってしまいました。目当ては男声陣だったのですが、レオノーラ役のテバルディがすごい迫力で歌っていて、思わぬ収穫でした。対訳なし。
Requiem
このCDはカラヤンのモーツァルトのレクイエムの3回目の録音で、1986年の巨匠晩年の録音です。1回目は宗教音楽としての美しさを、2回目はクラシック音楽としての美しさを、そしてこの録音はそれらを超越した、この曲の持つ神秘性を引き出した録音です。晩年の健康状態のすぐれないカラヤンの精神が、これを作曲したときのモーツァルトの精神にかぎりなく近づいたからではないでしょうか。
Verdi : La Forza Del Destino [DVD]
画質が仕方がないが良くないが、DVD化して改善されているかも。ロンドンレコードの名盤「運命の力」は、デル・モナコとバスティアニーニの名唱始め、凄い声の競演だったが。映像のこちらもすごい。コレッリとモナコの優劣は好み次第だが、私は甲乙つけられない。コレッリにはレコードのこの盤がないのは惜しい。逆にモナコは、映像がない。でも、映像でいえば、どちらも凄い美男だが、背が軽く6フィートあるコレッリが見栄えしてしまう分、得だろう。バスティアニーニは、レコードで聴くほどには、大きな声ではないことがわかるが、量感があって、安定した歌いぶりは、レコードと変わらず凄いと思った。昔はあんまり撮り直しが利かないから、本番に猛烈に強い歌手が多かったのだろうか。今のような安定した発声技術も確立していない時代だけに、個性たっぷりのどこか危なっかしいほどに、凄い歌い方をやらかす彼らは、しかし、まさに「一回性の芸術」の化身だったと思う。