ポリス インサイド・アウト (JAPAN EDITION) [DVD]
凄くパワフル。その一直線なパワー&リズムが、今のソフィストケイトされたスティングしか知らないと新鮮で驚きです。そんな爆発力でスタートしたんだ、と発見しました。70年代後半から80年代にかけてのここに出て来るライブ音源は、それが分かって感激します。でも単純なたて乗りのリズムじゃないところは、イギリスベースだなあと楽しく見ました。
映像が、ハンディカメラ?を回したもので、移動中や、ライブ後のもみくちゃになっているなどの動きが多い動画なので、そこに乗っかる字幕を読むのは、ちょっと辛い。ので、字幕を消して見たら、さらに音楽に引き込まれて、かえって良かったです!話は分かり難くなるけど(笑)。
イギリスでは、サッチャー首相登場前後の時期で、最もイギリスの経済や失業率が悪かった頃。けれど映像には全くそんな感じがしなかったのが不思議でした。「オレたちが、ロックって呼ばれてるよ」と言ってるのが面白く、ファンが「ヘイ!ゴ〜ジャス♪」と言うのを聞いて、映画だけじゃなく、ホントにイギリス人の女の子はそう言うんだ!と面白くなったり。色んな発見がある貴重な映像かも知れません。
Reggatta De Blanc
1980年生まれの自分にとって、つまり、音楽との出会いが90年代ロックであった世代にとって、80年代ロックには素直に入っていけない違和感があった。その違和感の最たるものは「ギターの音が歪んでいない」というものであって、ニルヴァーナのローファイなディストーションギターこそが「ロック」であり「リアル」であると信じ込んだ私にとって、80年代〜90年代初頭のロックバンドで聴かれるペラペラのエレキギターの音は「ダサい」としか思えなかった(すいません…)
ゆえに、80年代ロック最重要バンドであるザ・ポリスの代表作「白いレガッタ」を「カッコイイ」と思えるまでには時間がかかった。一回聴いたがピンとこなかった。5年経ってもう一回聴いたが、それでもよく分からなかった。そしてさらに2年経ってもう一度聴いてみると…おおっ、何だか凄いぞコレは!ドラムの演奏がすごく細かくて技巧的だし、無駄のないタイトな演奏が快感だし、エアロスミスとかガンズみたいなロックとは一線を画した音楽性が渋いし、スティングって何でこんなフレーズをベースで弾きながら歌えるの?
慣れてみたら…ポリスはすごくカッコ良いロックバンドだった。今聴いても全くもって新鮮な音楽作品。一回聴いてピンとこなくても、自分のように、何度か聴き返してみることを勝手にオススメします。
The Policeのドラマーだったスチュワート・コープランドが撮り溜めた映像を編集したドキュメンタリー映画である。
なんというか、ファンが見たかったポリスの栄光の軌跡ではなく、スチュワートの視点で見たポリスの起承転結って感じ。
なので、ミュージック・ビデオ世代以降のポリス・ファンが見てもつまんないかもしれない。
「ポリスがどういうバンドだったのか」というのはあまり語られてないのだ。それを知っているという前提で組み立てられているのだ。
若かりし頃の彼らの映像は期待してたほど鮮明にたくさんは入ってなかった。が、やっぱ、若い頃のスティングはかっこいいねぇ。
そしてプライベートショットというわりには、あまりプライベートな素顔は映ってない気がした。強いて言えば、アンディ・サマーズが意外とお茶目だっつーくらいか。
あー、しかし、スチュワート君、おそろしく手が速いですな、ドラムをたたく時の。
万人に勧められる映画ではないと思うが、往年のポリス・ファンだったら見ておいて損はないと思う。ツアーの途上、後ろから撮ったライブ風景、レコーディングの様子などが入っているし。