Vinland Saga
THEATRE OF TRAGEDYのLiv嬢が夫であり、ゴシック・メタル界の高名なプロデューサーでもある、
ALEXANDER KRULLのバンド、ATROCITYのメンバー達と結成したLeave's Eyesの2nd。
ピアノやストリングスを前面に使用し、シンフォニックかつノスタルジックな世界観を表現しながらも、
迫力のギターリフとALEXANDERのデス声が楽曲の持つダイナミズムを一気に高め、
Liv嬢の美しいソプラノボイスの魅力を最大限に惹き出しています。
楽曲の質も軒並み高く、シングル曲3.ELEGYや、デス声とソプラノボイスの対比が明確な6.THE THORN、
荘厳さ溢れる11.TWILIGHT SUNなど、全編通して聴き込めます。
またフロントマンの二人がキャリアの中で手に入れてきたポピュラリティも発揮され、
始めてゴシック・メタルを聴く人でもすぐにその世界に入り込めそうです。
(洗練されたという言葉はこういうものを指すのでしょう)
ただ若干楽曲がコンパクトにまとまり過ぎている印象があり、アルバムに一つ二つ、
8分を超えるような大曲なんかがあっても良かったかも知れないです。
しかし、このアルバムが最高潮のゴシック・メタルなのは確かです。
Njord
今では本家THEATRE OF TRAGEDYよりもダンナでもあるアレキサンダー率いる壮大なスケールのATROCITYを楽曲隊に備え 激甘な天女ヴォイスのリヴ嬢のバンド Leaves' Eyes が輝いています。前作の名盤でもあるVinland Sagaから4年、今作はその壮大な世界観を更に極めたLeavesの奏でる独創シンフォゴシックワールドである。尚、今作は北欧神話の海神であるNjord(アルバムタイトル)がコンセプトテーマだ。
まずはオープニングのM1. Njordのほら貝から始まる壮大なチューンに即効逝かされます。それは甘く切ないリヴ嬢の天女の囁きにアレキサンダーのデスヴォイが絡み合い・・・このオープニングサイコーです!
そしてEPとなったM2. My Destinyは今更、語らずものキラーチューンであり、M5. Scarborough Fair(Simon and Garfunkel cover)のカバーも光ります。ちなみにEPとはアレンジが違います。M9. Ragnarokでは華麗なクワイアとシンフォニックサウンドが今作を象徴とする名曲です。コンセプトのエンディングである、M12. Fr'ya's Themeは終幕にふさわしい8分以上の壮大な組曲となっております。また前作を継承するキャッチーな曲もM4. Take the Devil in Me, M6. Through Our Veins, M8. Northbound と抜かりはない素晴らしいアルバムです。
Meredead
ノルウェーのゴシックメタルバンド、リーヴズ・アイズの2011年作
北欧の美麗系ゴシックメタルのトップを走るこのバンド、前作では頂点ともいうべき
素晴らしい傑作を作り出したが、基本的には方向性は変わらず。
オーケストラルな美麗なアレンジとリブ・クリスティン嬢の美しい歌声で、
本作も質の高いサウンドを聴かせてくれる。随所に北欧のトラッド風味を取り入れたアレンジも、
これまでになく叙情美にあふれていて、今作ではデスヴォイスの使用が控えめなこともあって、
幻想的な世界観をしっとりと楽しめる。MIKE OLDFIELDのカヴァー“To France”もじつに美しい。
前作ほどの派手さはないが、じわじわとくる叙情と北欧の空気に溢れた傑作だ。