
10年後の「結婚しないかもしれない症候群」
私は谷村志穂さんが実はあまり好きではありません。文章も感性も飛び抜けて優れているとは思わない。「結婚しないかもしれない症候群」も
嫌な先輩達の姿として、読み流しました。
で、今回。バブリー全開だった彼女たちの価値観がどう変わったのかと興味本位で読み始めました。バブルの時代と違って、価値観があまりに多様な時代、前作のように時代性で女性をくくろうとするのはあまりに
大雑把。谷村さんの知る何人かの女性たちの10年として読みました。谷村さんも含め、普通の女性達の10年。誰でも10年の間には価値観の変化や、実際の生活の変化もある。でも、産む性としての女性の適齢期は100年前から変わっておらず、20代が機能としてのピーク。自分の生き方を確立し始める30代とのピークの差に悩む女性たちの姿が身近に感じられました。
谷村さんのライターとしての魅力は、平凡な価値観の持ち主だということかも。

結婚しないかもしれない症候群
とにかく勝手な人間が多い世の中であるということを、又確認できた本でした。多くの女性たちの話の中に共通していることは、言い訳しないと生きていけないと言うことで、ぜひ作者には言い訳しないで生きている女性たちを探して、作品にしてほしいと思いました。