Chinatown [VHS] [Import]
ポランスキーらしいエロチシズムと不気味さを感じる映画。
フェイ・ダンナウェイ演じる、父親に妊娠させられた
女性は凄まじい。
ポランスキー自身もチョイ役で出ていますので、
見逃さないように。
トミー コレクターズ・エディション [DVD]
この曲を何度聞いたことだろう。「HITACHIミュージック・イン・ハイフォニック」は自分にとっては宝箱だった。ラジオから聞こえてくるこの曲は、自分をわくわくさせてくれた。大人になって映像を見て、もっと感激した。このDVDはラジオに釘付けになっていた自分を思い出させてくれる。
くたばれ!ハリウッド [DVD]
実に面白い! 一般映画でもドキュメンタリーでもなく、過去の写真や映像をコラージュした「昔語り」です。しかも存命の本人の口を通して語られる訳です。この感じは同じハリウッド業界人の自伝(例えばローレン・バコールの名著『私一人』)ともまた違っていて、フィリップ・マーロウとかのハードボイルド小説の雰囲気に近いものがあります。
彼自身が手がけた映画群はまさしくこの「ハードボイルド」の文脈で捉えられる性質のものばかり。『ゴッドファーザー』『チャイナタウン』『ブラックサンデー』…。私が大好きな映画の名前が続々とあがってきます。編集を担当したのですからこれらは実質彼の映画と呼んでも差し支えないでしょう。確かにコッポラのフィルモグラフィ中『ゴッドファーザー』だけが雰囲気が違っていて(と言うかこの映画以外のコッポラ作品は変に感傷的で私は好きでない)、今回初めてその理由が分かりました。愛する人と悲劇的な別れをし、喪失感と諦念を抱えつつそれでも生きていく。前述の作品に加えて『ある愛の詩』も『マラソンマン』もそんな骨格を持っています。そこには彼自身のハードボイルド的人生が色濃く投影されています。そしてA.マッグローとの別れの影も。
考えるに1960年代後半から70年代前半という時代は近代史上でも最も劇的で面白い時代だったように思えます。この時代以前・以後の彼は少し精彩を欠いていますし、製作した映画も時代に乗り切れていません。『ジェイド』や『硝子の塔』なんかは大好きな作品なのですが映画史上では黙殺されている訳です。残念です。それでも彼はこの生き馬の目を抜く映画界に生き続けています。恐るべし。そして彼がダリル.F.ザナックを敬愛していたのと同様、リメイクとCGと甘ったるいお約束的展開がはびこる今の映画界に「くたばれ!ハリウッド」を実践できるフォロワーが生まれてくるのを楽しみにしていましょう。