太陽の子 [DVD]
灰谷健次郎の同名の小説が映画化されたもの。
小説にはなかった、お父さんの過去などが描かれている。
お父さんが沖縄戦でどのようなことがおこったのか、などが見えてきて
ラストなぜああなったのか、がわかりやすくなっている。
穿った見方をしてしまうと、ふうちゃんのせいでラストああなってしまったかのようにも見えてしまうのが残念。
ふうちゃん、キヨシ、ろくさんなど映画初出演の役者さんたちを使い
リアリティが出ている。
ところどころ出てくる沖縄民謡。意味がかいてあってわかりやすい。
本だけではわからなかった雰囲気が素敵な演出。
ラスト、天皇誕生日の皇居の様子がテレビで映し出されているのは
よけいな意味をもたせてしまうので蛇足かと。
全体的に、沖縄・昭和の美しさとその悲しさの対比が素晴らしく
いい涙が流せた作品でした。
兎の眼 [DVD]
素晴らしい!!
タカをくくって見始めましたが、いやあ、
すっばらしい映画でした。
関西の貧困都市部へ赴任した壇ふみさん
演じる先生と、小学校の生徒たちの
涙ぐましい触れ合いと格闘・・・・。
新克利さん演じる教師ともども、
これこそ教育者の鑑だ!
と言いたくなる奮闘の模様を、
ある時はシリアスに、ある時はメルヘンタッチで描いた、
「キューポラのある街」以上の快作です。
こうゆうことこそ、「人間関係」だ、と感じさせられました。
ドラマも映画もこれ、といって残っていない
壇ふみさんの若き日の凛々しさ観られるだけでも
価値あり、です。
僕の中では「典子は今」に並ぶシリアスメルヘンの
傑作ですねえ。
あ〜これダウンタウンの松本人志さんにみせたい。
号泣するやろなあ、自分たちの子供の頃思い出して。
ヒューマンな感動とはこういうもののことを
言うのです!!
わたしの出会った子どもたち (角川文庫)
最初にこの本をPresentされてから 早6年以上が経とうとしています。その間何度読んだかもはや思い出せませんが(ほとんど全て暗記するほど)今でもこの本は私の(作者の言葉を借りて言うなら)“精神の書”だと思っています。
子どもを通して自分を見つめる、社会を考える・・・この本が最初に書かれてから20年以上経つだろうし、日本社会(日本だけでなく他の世界も)どんどん変化していく。文明と言われるものは誰の意志でか、どんどん発達していく。“変わらないもの”なんてないのかもしれないし、あっても見つけられないのかもしれない。
でも でも・・・時代の流れがどうであれ、学校教育の変化がどうであれ、私自身がこの本に寄せている想いは今も変わらない。
自分勝手な感想や意見を述べるのは著者に失礼になるかも・・・と思いながらこれを書いていますが・・・とにかく彼が本の中に出している子どもたちの詩だけでも ひとりでも多くの人に読んでいただきたい。
兎の眼 (角川文庫)
灰谷健次郎が描く、先生と生徒のお話。
決して、物事を押し付けることなく、心と心のふれあいとすれ違いを描いていきます。
教育について色々言われている昨今ですが、こういった話を読むと人間の尊さがわかってくるような気がします。
辛くても真摯に向かいあい、がむしゃらでも前に向かおうとする姿勢には心を動かされました。
まだ自分の精神をコントロールできない子供も、苦闘している、悩んでいる。それに対して決して完全な人間ではなくともただただ、歩み寄っていく。
お勧めの本が見つかりました。
太陽の子 (角川文庫)
最初はなんとなく読み始めた作品。
話のテンポもよく大阪弁もおもしろい。
少し読み始めるとドキッとするような展開になる。
そのドキッは自分の心の弱いところを誰かに見られたような感じである。
そしてもう読み終えるまで一気に最後まで読んでしまう。
最初はなんとなく読み始めた作品が最後は背筋を伸ばしてきちんと一文字一文字読んでいる自分に気がつく。
ドキッがドキドキになっている自分に気がつく。
登場人物のやさしい言葉が読者の心を裸にする。
作者のやさしいまなざしが読者をせめる。
最初に読み終えてショックを受ける。
二度目に読み終えて大事なものを受け取ったような気分になる。
そんな作品がこれ。