女帝 わが名は則天武后
この本を読むまでは、冷酷な恐い人という認識しかありませんでした。
男性優位な中で皇帝になった則天武后の歴史は、その後にまた陥る男尊女卑の思想の中で書きかえられ、歴史的資料も偏見に満ちたものだったそうです。
読んでいて可哀想になりました…
歴史を見る目が変わる一冊でした。
則天武后―女性と権力 (中公新書 (99))
則天武后は低い身分から女性の身でありながら中国でタブーとされた女帝に上り詰めた人物です。これは日本で言うところの豊臣秀吉に匹敵する立身出世ですが人気は雲泥の差があります。これは秀吉が天下統一という時代の要請にこたえ、太閤検地などの国家経営の構想力を持っていたのに対して、武后は天下をとった後の計画は全くと言っていいほど無かった事が大きいと考えられます。
著者は武后の文化面での功績を評価していますが、これは日本でも政治が安定し好景気になると文化が伸張する(例えば元禄文化、化政文化)のと同じで武后オリジナルの業績といえるかどうか疑問です。むしろ私は曲りなりに武后が半世紀にもわたって権力を維持し続けたバランス感覚に注目したいと考えます。武后の時代は基本的に恐怖政治ですが、大衆の目を気にし、公開性、公平性をアピールするため低い身分の者を雇用しています。また皇帝に昇るに当たっても宗教の力を大いに利用し、大衆の間に武后待望論を作り出しています。。部下同士を争わせ権力が一箇所に集中しないよう配慮する点もバランス感覚の現れだと言えます。尤もだからといって権力志向「だけ」の彼女の治政を評価する気は全く起きませんが・・・
則天武后 DVD BOX
以前NHKで放映されてから、まったくDVDが出てなかったのでうれしいDVD−BOXでした!
「芙蓉鎮」で有名な劉暁慶ですが、私自身はこちらが先だったのでこっちが劉暁慶のイメージが強い。いろいろあった彼女だが、復活して今なお現役。悪女をさせたらぴか一女優(笑)
歴史的なところで導師じゃなくて尼さんになったり、後半の歴史のくだりが史実と違うらしいというのを後から知った。
彼女の西太后は一度見ておきたい…