ラッキーマン
お茶目でキューÈなキャラクター、テレビシリーズや映画で受けるマイケルの印象は総じて明るいものが多い。しかし、マイケル自身はそれを虚構だと言いきる。人気テレビシリーズファミリータイズは全米2位の好成績、代表作バックツーザフューチャーは空前のメガヒット。はたから見れば全てが順調のようだが、実際のマイケルは、いつも何かに追われるような恐怖を感じ、人の期待を裏切らないための無理な努力を重ね、地に足のつかない、彼の言葉を借りれば“バブルの中”に生きていた。パーキンソン病と診断されても、なかなかその事実を受け入れられず、人から隠すことに専念していた。
この本は、今まで私が抱いていたマイケル像とは全くの別人、一人の弱い人間としてのマイケルを浮かび上がらせる。精神的ギリギリの極限まで追い詰められたマイケルは、やがて自分の恐怖や弱さと正面から向き合う決心をして、セラピストや家族に支えられながら、現実を受け入れていく。病気、家族、仕事、それぞれの局面で、本当に大切なものを見出し、今まで自分が捕われていた価値観から脱却して、自然体で生きる姿勢を身につける過程が細やかに描かれている。個人的には、マイケルが自分の中にある恐怖と向き合う第6章が最も印象深かった。誰もが心に抱える闇、それと向かい合うのは恐ろしいことだ。しかし、様々な精神的束縛から自由になり、真に自分らしく生きるため、それは誰にとっても必要なプロセスではないだろうか。
これは、マイケルの生い立ちやその人となり以上に、生きる事の本質を考えさせてくれるけっこう深い本かもしれない。
Lucky Man: A Memoir
パーキンソン病について知っている人はどの程度読者のなかにいるのだろうか。日本では10万人に1人という発症率の難病で、『手の振るえ』『筋肉が硬くなる』『動作の緩慢』『姿勢を保つことが困難』が4大症状といわれる者である。しかし、現実には症状の出方は個人云々で全く違うし、発症年齢もこの本の著者であるマイケルJフォックス(MJF)のように30代で発症したり、高齢になってからの発症もある。若年で罹患した場合は仕事がやっと充実してきた頃であり、家庭では子供が小さく今後成人するまでには時間と金銭面で多くかかる。MJFにとって発症した時『バックトウザフュゥチャ-』の成功により地位と名声は手に入れてはあったが、その地位と名誉を保つためにパーキンソン病にかかっていることを必死に隠し、ついには世間に公表せざるを得なくなる。健常な大半の読者にとってはMJFという俳優の過酷な闘病記であろう。しかし、私のように40代で発症し現在50歳のパーキンソン病患者にとっては『涙なしではとても読めない』内容であった。タイトルを『ラッキーマン』にした意味も素晴らしい。多くの人達に是非読んでいただきたい名著だと思う。
ドク・ハリウッド [DVD]
初めてこの映画を見てから何回見返したことか(≧∇≦) 正直、一番好きな映画かもしれないです。 マイケルが好きと言うこともあるけど、それを差し引いてもやっぱりいい映画だと思ってしまう。 舞台はアメリカの田舎町。本当に大切な物は何なのか考えさせられます。 見終わった後に必ず暖かい気持ちになることを保証しますょ。
ラッキーマン (ソフトバンク文庫)
手に入れてから読みはじめるまでに、結構時間がかかった。マイケル・J・フォックスは、バックトゥザフューチャーぐらいしか観てないし、特に好きな俳優というわけではなかった。また闘病記とかって、それなりに自分が心して読まないと、単に同情して感動して終わりになってしまうことが多いので、慎重になってしまったのだ。数日が過ぎ、やや重めの気持ちを引き摺りながら、読み始めた。最初に思ったのは、「文章が上手い」ということだった。次にパーキンソン病との闘病記だけでなく、「マイケルの自伝」なんだなということだった。
読み終わった。びっくりした。読み終わるまでゴーストライターが書いた文章だと思っていたが、実際は違うようだ。もちろん自分は、文章の巧拙を評する基準を持っているわけではない。でもすごく人を惹きつけるし、読んでいて飽きさせないのだ。エピソードの入れ方や客観的な現象の比喩の仕方、そしてその時々の気持ち、考えの表現方法。挙げたらきりがない。
そして一番大切な内容といえば・・・同情も少しはした。感動もしたような気がする。でも何よりも、マイケルの考え方の成熟度である。すごく大人である。ここまで悟ることが出来る人がいるんだ!ということである。当たり前だが、マイケルと自分は全くの別人格である。もちろん境遇も違う。だから、理解できることも限られる。逆に言えば、理解できないことが多い。自分では到底、この境地にたどり着くことは出来ないだろう。だからこそ、言える。この本を読んで良かった。マイケルに限らず、色んな人がいる。みんな社会的な役割を担っているのだろう。自分も柄にもなく考えた。自分は他人に良い影響を与えているだろうか?と。
そんな気にさせられた本だった。
ブルー・イン・ザ・フェイス【字幕版】 [VHS]
映画館(今は無き恵比寿ガーデンシネマ)に毎週通い、レンタルビデオでも何十回観ても飽きることの無かった作品が何故今だにDVD化されないのか怒りすら感じます!!木にコンビニ袋が引っ掛かりってるのを“ブルックリンらしい。”とのたまうおばちゃん。ジャッキー・ロビンソンの亡霊出現で子供に帰る煙草屋オーナー。それとウンチクを語る謎のモジャモジャ頭ルー・リードみんな良い味出てたなあ!