通天閣 (ちくま文庫)
最初、つまらん・・・と思って読むの途中で辞めたくなりました。
(西加奈子の作品ではこういう現象がよく起こります)
工場で働く、独身の40歳代のオッサンと、
同棲してた恋人に捨てられて(置いてかれた?)、
スナックで働く20代後半の女の話。
どっちも人生にやる気ナシ。
中盤まで、つられて自分までやさぐれた気持ちになります。
ふたりの話が交互に来るので、
このふたりはなんかしらの繋がりがあるはずだ〜
いつ繋がるんだ〜
と思いながら読んでました。
途中から生きる意味を見出し・・・というよりは、
ふたりの視界が開けてきたあたりから面白くなる。
オッサンの働く工場の新入りが駆け出すシーンとか、
あたしまで血が騒ぎました。
でもその後とんでもないオチが(笑
女がスナックの人間の一言で泣くシーンでは、
女と一緒に泣きそうになり、
電車の中で涙をこらえました。
そして最後の最後で・・・
大爆笑。(を、電車の中なので我慢した)
まさかそうくるとはー。
いや、ないわー叫ばないわ、あんなことー。
脇キャラだと完全に思っていた人が、
意外といい味出してくる作品です。
誰一人、読み逃してほしくない。
まさかオマエがキーマンか!ってなるから。
読み始めは相当ツライものがありますが、
読み終わりはスッキリします。
え、それで終わりなの?と思うかもしれないけど、
そこで終わるのが西加奈子な気もする。
ワンマンライブ ~通天閣からコンニチハ!~ [DVD]
実際にこのライヴを見に行きましたが、DVDかされるのを心待ちにしてました。
その心待ちがやっと実現します☆
これは買わなければ損をするはず!!
どんな編集か気になりますが見ごたえ十分の内容です。
SHINGO☆西成ほんま熱いラッパーです
要チェック!!ラパッ
通天閣 新・日本資本主義発達史
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表紙の通天閣がやけにチャーミング。
このデザインの通天閣でもいいんじゃない?と思った。
そして本書はかなり分厚い。
だから持ちごたえもあって、そのことがすごく嬉しい。
こういうのは電子書籍では味わえないことだ。
高いなあ、と思うかも知れないけれど、価格は妥当だと思う。
いや、安いくらいかも知れない。
というのは、読んでみてそれだけの価値があったし、そしてすごく面白い内容だったから。
今よりもガヤガヤしていた通天閣のあたりのことが垣間見れた。
夕焼けがすごく似合いそうだ。
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通天閣の歴史だとか、そういうお話しだけなら、きっと買ってなかったと思う。
でも、
通天閣という存在に軸に置きながらかつての頃から社会(資本主義史?!)を見るということに面白さを感じた。
その名を聞いたことだけはある登場人物たちのことも詳しく、体温を感じるように知ることが出来た。
大阪の人にももちろん読んでほしい。
でも、それ以上に大阪以外の地域の人にこそ読んでほしい。
この本を読んでから通天閣のあたりをぶらぶら歩いてみると、何も知らないよりもグッと感じるものがあると思う。
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これは大阪2011年ダブル選挙後のレビューだ。
きっと大阪は変わるだろう。
変わって世界に冠たるパワーあふれる都市になって行くだろう。
そうなってほしい。
いや、そうならなければ大阪だけではなく間違いなくこの日本も沈む。
でも、通天閣やその周辺の独特の猥雑さは消えないでいてほしいとも思う。
だれかが不幸にならない限りにおいて。
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<〜お願い〜>
あの素晴らしい都会のド真ん中の動物園をもう少し何とかしてやってほし〜。
狭すぎるんだ。
オオカミとか、特にね。
植物園も大切だけど、感情のある動物たちがいるんだから動物園のスペースを広げて都市サファリっぽくやればいい。
都会のド真ん中という点を逆に利用してサファリみたいにすればいい。
とにかく真っ先に動物たちが過ごすスペースをもっともっと広くしてやってほし〜。
そういうことのためなら税金を余分に払ってもぜんぜん平気だから。