吾妹子哀し (新潮文庫)
カバー裏のあらすじを見て、痴呆症の話、介護の話かな?と思いきや、全然違う。
これは、男の人がどれだけ女の人を愛せるかというテーマを検証することのできる、れっきとした恋愛小説だ。
痴呆は夫婦の愛を量る試練でしか無くて、夫はその試練に直向に立ち向かっている。
そこに悲惨さやみじめさは無い。
むしろあふれんばかりの愛情がある…。
特にSEX描写があったのには少々驚いた。しかも、その描写の仕方がとても素敵なのだ。
何十年も連れ添ってきた夫婦なのに、うら若き学生同士のような初々しい二人。
読んでいてとても、どきどきしたし、本当に羨ましかった。
愛なんて、さめるものだ、と諦めている人には是非これを読んで欲しい。
きっと、今愛している人との素敵な未来を想像できるだろう。