生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント (文春新書 868)
昔読んだ山本直樹のマンガに
「悩み事は自分の目の前にある壁に描かれた、ただの絵の窓。
押しても引いてもびくともしない。
でも、振り向いてみるとその先には開け放たれた窓がある。
振り向きさえすればいいのだ」という趣旨のシーンがありました。
西原さんの回答の数々はその「振り向き方」だと思います。
ちょっと思いつかない方向から答えが飛んでくるような感覚すら覚えますが、
全ての質問を冷静に分析し、かなり真面目に、しかも的確に答えています。
意外ですが、現実的に実行できる解決策ばかりです。
文春のメイン読者であるサラリーマンのおっさんたちは上っ面だけの観念的な答えなんて
欲しくありませんものね。
恐らく聞き書きのためか、サイバラ漫画のセリフのような文体になっているので、
絵がないサイバラ漫画といった感じで、文章を読んでいることを忘れます。
とにかく、悩んでいる暇があったら行動に移せ。
これにつきますね。
ためになりました。
毎日かあさん 豪華愛蔵版(初回限定生産DVD2枚組)
マンガを読んで癌が悪い、と思ってたけど、果てしのない依存性との闘いどころではなくしてくれて、最後にほんとに家族になれたのは皮肉にも癌だったから。 映画は永瀬くんがコミカルでかわいかったけど現実は依存性は薬物中毒と同じで支えようとしたらほんとに家族は潰されると思う。酒で人生誤る人は数知れず。へタな戦場よりずっと危険。怖さをもっと伝えよう。当然お金さえあれば病院に入れて支えられるけどね。だからほんとに何よりお金なのだ。 だけど 大金はたいても駄作の映画も多いけど、これはハートフル。感動だけはお金では買えない。 ぜひ日本映画はお金をなるべくかけないで脚本と演技で勝負する方向も忘れないでほしい。
キャストがよかった。
子役はかわいく永瀬くんのボケときょんきょんのツッコミがよい。だめんずでも夫婦漫才が笑えるのは観客である子供がいるから。
子はかすがいです。
パーマネント野ばら [DVD]
「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」、「クヒオ大佐」に続く吉田大八監督の最新作。
原作者が西原理恵子である事と菅野美穂、江口洋介、小池栄子らが主要キャストである事以外、何の情報も持たずに観たが、まさかこんな展開になるとは、、、。
ある寂れた港町でのただひとつの美容院パーマネント野ばら。ここに集まる常連客の熟女?たちは、店主の夏木マリを始め、幾つになっても男好きな人たち、日々猥談に興じながら、かしましい事この上ない(笑)。
その一方で、オトコへのそんな吹っ切れ感など無縁な3人の女性たち。みんな誰かを愛したい、愛されたい、でも、愛したくても満たされない、上手くいかない愛。悲しい秘密と淋しさを秘めながら、男運がない事を引きずっている幼な友達たち。
かなりブラックでシュールなユーモアに笑いながらも、やっぱりこれは儚くて淋しい恋愛映画。
終盤からドラマは急展開し、観る者を動揺させるが、壊れかかってしまうような危うくて脆い精神を優しく包容してくれるラストが救いだ。
苦悩し、ヘヴィな気持ちで一杯一杯な部分で生きている人たちへ勇気を与えてくれるような優しい作品。
かけがえのない友情、その思いやりに心打たれながらも、でも、やっぱり切なすぎる。
鴨志田穣・西原理恵子ラストコラボレーション 戦場カメラマンの唄
おそらく、知らない人にとっては、他愛のない1冊の本かもしれません。
でも、ファンを含め、知っている人にとっては、そんなことは関係ないでしょう。
本書では「豪華メンツ」が鴨志田さんを思い思いに語られています。
思い出か、思い入れか。それぞれの心の中の鴨志田さんがそこにいます。
多くの写真も掲載されています。何だか、みんな、笑った顔ばかりです。
胃痛とストレスに悩む日本人が忘れかけていた、屈託のない笑顔が並んでいます。
そして「鴨ちゃん」を描ける唯一の人、西原理恵子さんのマンガもあります。
西原さんが描く鴨志田穣さんは、時折「人間」としてはどうかと思われるような
振る舞いを見せてくれますが、父として、また、人として真っ当な人であることを
彼女自身の筆が語ってくれています。愛だよ、愛。
CDブックなので、当然ながらCDがついています。
このCDは、必ず笑いながら聴き、決して歌詞を人前で読んじゃイケマセン。
何だか分らないけど、とても恥ずかしい事になってしまいます。
でも、大切な人の前だったら、良いかも知れません。
ファンのための、そんな1冊
副題は「鴨志田穣・西原理恵子ラストコラボレーション」