ソラリスの陽のもとに (ハヤカワ文庫 SF 237)
この広大な宇宙のどこかには地球人のほかにも知的生命体がいるだろう、と告げる物語はほかにもたくさんありますが、この話はちょっとすごい。それは侵略してくるのでもなく、また積極的に友好関係をむすぼうというのでもなく、地球からやってくる人々にただふれていくのです。
主人公のケルビン青年が惑星ソラリスに赴任するところから、この不思議な物語がはじまります。ところが彼がソラリス・ステーションについてみると、先に着任しているはずの三人の研究者が見あたりません。ステーション自体もこころなしか荒廃した印象があります。まもなく姿をあらわした一人の研究者も酔ってでもいるのか、どことなく常軌を逸しているようです。
なにかがおかしい、と彼は思います。密閉されたステーション内なにが起こったのか。在るのはただ、すみれ色の靄におおわれて、もの憂げにのたうっているソラリスの海ばかり。これはまるでホラー仕立ての展開です。
読みすすむうち、ケルビン青年が出会う未知のものに、きっと読者も一緒になって目をみはることでしょう。
未知なるもの。
星の海にへ出て行った先で、わたしたちのうちのだれかは彼らに出会うかもしれません。勝つわけでもなく、負かされるわけでもなく、理解しあうわけでもなく、ただふれるというかたちで。
バッハ・ファンタジー
視聴曲は9曲ですが・・・
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試聴用サンプル
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1. カンタータ第208番「楽しき狩りこそ,わが喜び」(狩りのカンタータ)~早起き鳥 試聴する
2. 平均律クラヴィーア曲集第1巻~第1番ハ長調「アヴェ・マリア」 試聴する
3. カンタータ第78番「イエスよ,わが魂を」~電気仕掛けの兵隊の行進 試聴する
4. 同第140番「目覚めよと呼ぶ声あり」~時計の幻想 試聴する
5. 同第147番「心と口と行いと生活で」~主よ,人の望みの喜びよ 試聴する
6. 2声のインヴェンション第13番イ短調BWV784~笛を吹く少年 試聴する
7. カンタータ第36番「喜んで舞い上がれ」~砂漠の大旋風 試聴する
8. 管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068~G線上のアリア 試聴する
9. トッカータとフーガ ニ短調BWV565 試聴する
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このCDには、他に一曲収納されて全部で十曲あります。
惑星ソラリスの海−旧ソ連SF映画「惑星ソラリス」からのイメージによる BWV788およびBWV639(我なんじ呼ばわる、主イエス・キリストよ) が含まれています。
惑星ソラリス [DVD]
テーマ曲は BWV639 の主イエスキリストよ、われ汝に呼ばわるです。ぼくはオルガンが好きで、こないだ偶然オイゲル・ビュッヒライン BWV599-644 を買ったんですが、それにテーマ曲が入ってました。2分ちょっとの曲です。アマゾンでは バッハ:オルガン作品全集第10集 と検索すれば出てくると思います。
惑星ソラリス [DVD]
タルコフスキーの映画で、これが一番有名です。高校のときにこれを見てからこの監督に病み付きになりました。
この映画は、アクションの類が好きな人には向きませんが、物思いにふけるのが好きな人には答えられません。この映画は、見るのではなく、感じてください。テーマ曲のBachの曲が泣かせます。