タケヲちゃん物怪録 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
タケヲちゃんは不幸体質である。
だから友達がいない。
いつも一人で生きてきた。
そんな彼女がいつもの通りの不幸から、住むことになったのが百鬼荘。
そこには人間を脅かしたくてたまらない妖怪たちがいた。
彼らがタケヲちゃんを脅かそうとすればするほど、タケヲちゃんは
幸福になる。
それは、彼女が初めて誰かに必要とされたから。
そしてタケヲちゃんは大家・座敷童子のパワーで、少しだけ不幸体質を
脱却できつつある。
第4夜のエピソード、実はタケヲちゃんを全力で守っていた妖怪の話が
大好きだ。
ツンデレ妖怪バンザイ。
タケヲちゃんは不幸体質である。
でも、友達は沢山いる。
どうか君たちがずっとずっと幸せでありますように。
とよ田みのる短編集 CATCH&THROW (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)
この短編集では五作品が収録されていますが、どれも素晴らしい出来です。そのうち二作品は連載用として考えていたらしく、結局ボツになったそうですが、続きが読みたくなるようなお話でした。表題にもある「CATCH&THROW」は作者本人も言っているようにとよ田みのる総決算のような作品で、実に心洗われるストーリーでした。よしづきくみち氏とのネーム交換による合作も面白かったです。大満足の短編集でした。ファンの方はもちろん、まだとよ田さんの作品を読んだことがないという方にもオススメの一冊です。
FLIP-FLAP (アフタヌーンKC)
いささかつかみ所のない女の子を好きになってしまった、平凡な主人公。
彼女が交際の条件としたのは、ゲームセンターにあるピンボールゲーム
の超人的なハイスコアを抜くことだった・・・。
ありそうでなさそうなお話ですが、全身全霊で努力する主人公・・・。
いつしか二人の関係は・・・。
つかみどころがなく、飄々としている不思議な雰囲気のヒロインや極限の
集中力を発揮する主人公の描写もGOOD。
読後感のさわやかさもすばらしい。
ピンボールは作者の趣味らしいが、取材を兼ねて本当にシカゴまで行くほ
どの凝りようなので、プレイに関する含蓄も面白い。
「ラブロマ」や「友だち100人できるかな」のような個性的な秀作を
連発しているとよ田みのるらしい素朴な魅力がつまった作品。
なお、余談ながら当作品を読んで、実際ピンボールをやりたくなったものの、
近隣のゲーセンでピンボール機を置いてあるところは激減しており、ゲー
センそのものの数も減少しているようである。かってはデパートの屋上や
遊園地、温泉旅館などどこにでもあったのだが・・・。
アメリカの国民的遊技もテレビゲームの普及とともに老舗メーカーは次々に
廃業を余儀なくされ、新品を製造しているのは僅か一社のみだという・・・。
とよ田作品のなかではいちばん続編が読みたい作品であります。