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「70年代パンクとドラッグ」、この二つの言葉がペアになっただけでアレルギーを起こしてしまう人は沢山いるかもしれない。狂気と混乱、無謀、孤独が転げ回っているだけ、と決めかかって読み出すのはあながち間違いとも言えないが、少し読み進むとすぐにそれが間違いなのだと気づかせられる。やることは目茶苦茶な主人公だが、狂気と甘えの境目に確かに存在する「正気」が確かにあって、それがストーリーを一本に繋いでいく。読んでいる途中、ビム・ベンダースのロード・ムービーが何度も思い出された。この本は言葉で語られているにもかかわらず、鮮明で強烈な映像を読み手の脳裏に強烈に描き出すのだ。一般に(と書いては語弊があるかもしれないが)こういう本はテーマや語り口ゆえに、翻訳された途端に原文の持つテイストを損ねがちであるが、思い切った言葉の選択、かつそれが的確であるところが、「翻訳された」という間接性を感じさせない。ストーリーは意外なところで終わりとなった感があるが(あくまで私見)、これは著者であるリチャード・ヘルの、詩人またはミュージシャンとしての過去背景を考えると納得がいってしまった。
ヘルハザード(字幕) [VHS]
日夜、謎の研究に勤しむチャールズだったが、ある時を境に、突如、人格が変貌してしまった。チャールズの妻は探偵事務所に調査を依頼するが・・・HPラヴクラフト「チャールズ・ウォードの奇怪な事件(原作は「ラヴクラフト全集2(東京創元社)等に収録)」を映画化した骨太なホラー作品です。
この作品のプロットは、ラヴクラフトのファンならご存じでしょうし、そうでなくても現代では割と使い古された感のあるものですから、むしろ解決(?)に至るまでの描写を楽しむ作品といえます。基本的には原作ファン向けの映画化と思います。
時代を現代に置き換えてこそいますが、割と原作に忠実に、しっかりと作られており、好感が持てます。また主演のクリス・サランドンのなかなかの熱演ぶりも良いです。強いて難点をいえば、クライマックス近くで登場する怪○のデザインがちょっとなー(^^;という感じでしたが、比較的新しいラヴクラフト映画としてはまずまずの出来といえるでしょう。
早くDVD化してほしい作品の1つですね。
Blank Generation
パティ・スミスやラモーンズ、テレヴィジョンと並ぶ、NYパンク草創期の代表格。1、2枚目とも時代を超えた奇跡的名盤だと思います。リチャード・ヘルの「音楽的でない」(要するに下手な)歌い方が嫌いな人も沢山いらっしゃるでしょうけど、この楽曲からはみ出るように放出される彼の全アイデンティティをかけた、エネルギーが凄い。またロバート・クィン、イヴァン・ジュリアンの2台のギターによる狂騒的なサウンドは、やかましくも鳥肌ものです。当時の東京ロッカーズ(フリクション他)に与えた影響はことのほか大きかったと思います。
ブランク・ジェネレーション
パンクとはセックスピストルズのことを言うのだと思っている人はきっと多いだろうと思う。しかし!!僕はあえてこの作品こそリチャードヘルこそパンクだと思う。だってピストルズは、このバンドのパクリででしかないのだから。
ピストルズの服も曲もこの偉大なバンドとかなりかぶている。有名な逸話としてピストルズのマネイジャーであるマルコムマックラ―レンは、NYでこのバンドのライブを見たときにリチャードヘルがオレンジジュースを頭からかぶって演奏しているのにショックを受けすぐにピストルズに真似させたとゆうのだから…。
さあ、パンク好きの君!!このCDを聞かないでパンクは語れないぞ!!!!!!