female [DVD]
「桃」――長谷川京子が確かに桃はエロく食べてたけど、それだけ。回想シーンの子はがんばってたけど、彼女自身が脱がなきゃ。「見せない事によるエロさ」というより、中途半端で思い切りが悪い印象のほうが強い。
「太陽の見える場所まで」――3人3様の背負っている問題をフラッシュバックとか使わずに台詞回しとリアクションだけで伝える表現力。だけど、3人の女が連れションする場面などもわざとらしいし、笑えるシーンもハズしてる。石井苗子のヌーブラは強烈だったけどね。
「夜の舌先」――30代負け犬おんな(?)の夜な夜なの妄想を描いた話で、この妄想が全部エロ。(笑)しかも、あまりに激しすぎて全部笑いになってしまうというのは、松尾らしいところです。高岡早紀が全編に渡って見せた迫真の演技がなかったらここまで笑えなかったと思います。
「女神のかかと」――少年が友達のきれいなおかあさんにモヤモヤとしたものを感じてしまう。男性が撮ったら、ちょっと嫌なものになっていたのかもしれない。胸が痛くなる優しい作品に仕上がってます。思春期の少年の心の動きが描けるのか不思議。
「玉虫」――時代も場所もわからない奇妙なセットの中での非日常的なエロス。さすがに塚本監督、雨や体液など、ぬめっとした描写も忘れていません。(笑) 監督の演出もさることながら、悲しいシーン、激しいシーン、ユーモアあふれるシーンも石田えりの存在感が、とにかく見事。カラッとして、しかも色っぽい。
ツ、イ、ラ、ク (角川文庫)
読み進めていくうちに、ああこういう感じの子が実は本当は一番マセているんだなあという子が禁断の世界に足を踏み入れた。
中盤はポルノ小説まがいの描写が続くが、突然関係を清算したところが潔かった。そして20年後、それぞれの登場人物の「今」を紹介しながら、最後に禁断の恋をした二人が登場する。そして僕は嫌悪感を感じながら読んでいた、この淫らで残酷で卑怯な物語が、純愛青春小説だったのだと気がつくことになった。
リアル・シンデレラ (光文社文庫)
「リアル・シンデレラ」、面白かったです!
地味なテーマだし、波瀾万丈展開も、ミステリアスな謎もあるわけでもないのに、読み始めるとやめられず、それどころかどんどん夢中になってしまいました。
こんな地味な話が、どうしてこれだけ自分を引きつけるのだろうと、
とても不思議になりました。
そして読み終えてみて、タイトルの『リアル・シンデレラ』という言葉が、
「ああ、そういう意味だったのか」と、腑に落ちる思いでした。
世の中の人は「シンデレラ」を幸せというけれど、
泉のような、普通の人からみたら、「鈍感」とか、「不気味」とか、
見えるのかもしれませんが、こういう生き方っていいな、と素直に思えました。
倉島泉という女性は、私にとって「超好み」です。
自分の世界を持っていて、一人で楽しむことができる女性というのは、
素直に「格好いい」と思えます。
20歳くらいまでの自分だと、女性のそういう魅力がよくわからなかった。
大人になるとよくわかる。わかれてよかった。
桃―もうひとつのツ、イ、ラ、ク (角川文庫)
生きてるのは今。
過去は消せない。
そして変えることはできない。
情熱を費やした過去の出来事は
今もこの先も心の中に残るだろう。
過去に思い悩んで選択した結果は
間違いじゃないはず。
そうじゃないと過去に引きずられて、
今を生きられなくなってしまう。