醒めた炎
Television解散後のファースト・ソロ・アルバムで、レーベルは同じエレクトラから当時発売されました。内容は、Televisionよりも、さらにシンプルになっていて、あの絡みつくようなギターを期待している人には、少し物足りないかもしれません。ただ、Televison時代にはできなかったであろうYonki Timeのような余裕とユーモアをもった曲があったりして、Tom Verlaineの新たなソングライティングを楽しみたいと思う方には、非常にお勧めです
夢時間
テレヴィジョンを好きな人は多いと思いますが、トム・ヴァーレインのソロ・アルバムをしっかり追いかけて聴いているという人は、活動期間の短かったテレヴィジョン(再結成時期は除いて)の幻影をソロ時代のヴァーレインに求めて聴いている...そんなことはないでしょうか? 今まで何枚かソロ・アルバムを出していますが、一番テレヴィジョン・サウンドに近いのがこのセカンド・アルバムだと私は思います。
ベースにテレヴィジョン時代の盟友フレッド・スミス、セカンド・ギタリストにリッチー・フリグラーが参加。 このギタリストとの相性が良く、テレヴィジョン時代を彷彿とさせる二人の白熱したギターバトルが聴けるの嬉しい。全体的にヒリヒリとした緊張感に包まれたスリリングな作品になっています。
個人的には5曲目の「Without a Word」が本作のハイライト。ヴァーレインの美意識、センシティブな部分が表れた美しくも儚い名曲だと思います。
なお、94年にInfinite Zero/AmericanというレーベルからリイシューされたCDには、ボーナストラックとして、The Blue RobeとAlwaysの別バージョンが収録されていました。
ザ・ベスト・オブ・テレヴィジョン&トム・ヴァーレイン
テレヴィジョン時代とトムヴァーレイン時代の曲をピックアップして制作された日本独自編集のCDです。テレヴィジョンに関しては70年代後期に発表されたオリジナルアルバム2枚が必須で、ベストアルバムには向かないので、選曲についての賛否両論は絶対にあると思います。どう選んでもCD1枚には無理がありますから。でも日本独自の企画でこんなアルバムが発売されていることを素直に評価しましょう。トムのソロ時代には音楽的にいろんな側面があり、テレヴィジョンの曲とはあまりしっくりこないかなぁと思いつつ、意外と違和感なく(特に1枚目のソロアルバム曲は)聞けます。テレヴィジョンはLPしか持っていないという人は是非どうぞ。というのも「マーキームーン」はフェイドアウトしないロングヴァージョンで一聴の価値ありです。