Greenslade/Bedside Manners Are Extra
デイヴ・グリーンスレイド率いる英国ロックバンド、グリーンスレイドの1st/2ndカップリング2枚組
1st
ギターレス、ツインキーボードという編成で、レトロなオルガンを鳴らしながら
軽やかに聴かせるサウンドで、英国らしい湿りけとキャッチーな聴き心地が魅力的。
クラシカルな優雅さを含みつつも、大仰にはならないシンプルなポップ感覚というものがあって、
濃密にプログレ、プログレしていないところが70年代前半の作品ではかえって珍しい。
オルガンにかぶさるメロトロンの響きも美しい。
2nd
ブリティッシュの香り漂うメロディアスかつやわらかみのあるサウンドは
前作以上に洗練され、クラシカルなピアノとハモンドオルガンがしっとりと美しい。
幻想的なメロトロンの響きにたおやかなフルートの音色、プログレ的に鳴り響くオルガンとともに、
楽曲におけるメリハリとシンフォニックな質感という点でもバンドの最高傑作だろう。
Greenslade
元コロシアムのデイブグリーンスレイドを中心に、元キングクリムゾンのアンドリューマカロックらが結成したプログレバンドです。
最大の特徴は、ギターレスのツインキーボードという編成。キーボードもオルガン、ピアノ、メロトロンですのでピコピコした音ではなく、非常に人間臭い味を出しています。これに、英国情緒タップリのサウンドが乗っかかってきますので、聞き出すと、妙にはまる音楽になっています。多くのレビュアーが書かれているボーカルも、ヘタウマというよりは、妙に、サウンドにマッチしていると思われます。
難点は、楽曲に、もう少しドラマチック性があれば、尚良しということ。これがあれば、恐らく、更にメジャーなバンドになれたのでしょうが。
テクニックでごりごり押してくるプログレよりは、叙情性を好まれるプログレファンにはお奨めの1枚です。
Spyglass Guest/Time & Tide
バンドにはある程度セールスということが重要になるのでしょうか。このグリーンスレイドというバンド、ギターレスでツインキーボード、クラシカルなフレーズやジャジーなところもあり、かっこいいと思います。ところが、作品ごとに進歩している感じがある初期の2作に対し、この3作目4作目は売れずにもがき苦しみ、仲間割れを起こしているかんじのアルバムとなっています。しかし、ところどころに個々のメンバーの光るところが見つかり、それなりに楽しめました。その2作をセットで、しかも1000円程度で聞くことができたのはラッキーと言えるでしょう。