いつか晴れた日に【日本語吹替版】 [VHS]
オースチンの原作よりも、登場人物が生き生きしていると思える、脚本も出演者も、ロケも衣装も時代考証も、すべてパーフェクトな素晴らしい映画です。何度見てもあきません。原作ではただの優柔不断男としか思えないヒロイン、エレノアの恋人役をヒュー・グラントが演じチャーミング。又妹役は、タイタニックのヒロインの女優さんで、素敵に歌もピアノもうまいのです。恋にどっぷり浸ってヒロイン(性格の正反対の、二人のヒロインがいますから、どちらになりきってもいいのです!)とともにわくわくドキドキで、最後はハッピーエンド。最上のイギリス映画(アメリカ資本が入っているかもしれませんが、それを感じさせない端正さがあります)といえるでしょう。これが気に入った方は、BBC製作の『高慢と偏??』を見るしかありませんね。そっちはもっといいですよ。
分別と多感 (ちくま文庫)
昔映画で観たこの作品を、いつか原作で読んでみようと何年も思っていた。今回、手軽な文庫版が出て、
通常の文庫の2倍くらい高価ではあるものの文字も文章も読みやすそうだったので購入した。
『高慢と偏見』も有名なジェーン・オースティンによるこの作品は、Sense and Sensibilityという原題に沿って、
Senseを体現する理性的な姉エリナーとSensibilityを表す多感な妹マリアン姉妹の恋愛を中心に描く。
エリナーは口下手で不器用だが優しい好青年エドワードと、マリアンは物語の主人公のような情熱的でかっこいいウィロビーと、
それぞれ親交を深める。しかし、姉妹は父親に死なれたばかりで、父親の先妻の息子夫婦にもあまりよくしてもらえない。
それなりの生活が出来る程度の経済力で、屋敷を出てこじんまりしたコテッジで暮らしている状況である。
エドワードは大資産家の息子だが、厳しい母親の同意した素晴らしい相手と結婚しないとお金はもらえなさそうだ。
一方ウィロビーとマリアンは、人目をはばからぬ熱々ぶりで、周囲の人は婚約を確信。しかし、もう35になるブランドン大佐も、
マリアンを見た瞬間から愛していた。しかし真面目で陰気な大佐はエリナーに尊敬されるもウィロビーやマリアンに疎んじられる。
主人公姉妹をとりまく人々が、利益追求型だったり、意地悪だったり、思慮分別を欠いていたり、無教養だったりすることもあって、
二人の恋愛はなかなかスムーズに運ばない。登場人物たちの意外な性質や隠された過去が明らかになっていくにつれて、話は二転三転する。
主に自制心のある姉エリナーおよび筆者自身の視点に基づいて、登場人物らの会話や性質が詳しく活写される。
時に、女同士のおしゃべりが多く冗漫に思える部分もあるが、エリナーの冷静な人間観察は面白く読める。
また、人間一般についての筆者による鋭いコメントもそのなかにちらりと混ぜられていて、人生を客観的に見詰めた筆者の姿が窺える。
いつか晴れた日に [DVD]
1995年作品。
今や巨匠のアン・リー監督が初めて母国語以外の作品を手がけた最初の作品。
ビフォア・「タイタニック」のケイト・ウィンスレットは19歳、
初々しくて、全身全霊で輝いている。一見の価値あり。
アフター・オスカーのエマ・トンプソンは、
役柄の割に老けている…という誰もが感じる致命的な一点を、
持てる全てをなげうって、プラスに転化している。
見事と言うほかありません。
このDVDの魅力は、
内容もさることながら、
その特典にある。
ゴールデン・グローブで脚本賞をとったエマ・トンプソンの受賞スピーチは、
英国女優の知性をアピールするパフォーマンスのようなスピーチで、
才気走りすぎて、ハリウッドの観客は若干引き気味。
これが何度見ても面白い。
音声解説は二つ、
エマ・トンプソンとリンゼイ・ドーラン(製作者)は、どちらも相当なお喋りで、
冒頭のコロンビアのロゴが出たところから、それをネタにジョークを飛ばしあい、
一秒たりとも間が空かないマシンガントークを炸裂。
あたかもトーク・ショウのような楽しい内容。
アン・リーとジェームス・シェイマス(製作補)の二人も、
製作過程の裏話を中心に、ユーモアをちりばめた会話で、
こちらも完成試写会などで行われるトーク・ショウみたいです。
同じシーンで、ふた組が同じ話題(ストーリーに関係のない羊の置物とか)に触れるあたりに、
製作現場の雰囲気の良さがうかがわれて、思わず微笑みがこぼれます。
フェルメールなどの絵画を意識した室内シーンの映像美、
屋外シーンの自然の美しさ、
長い原作を気の効いた台詞の応酬でテンポ良く見せる脚本、
わきを固める超一流のコメディアンたち、
(いまやDr.HOUSEで名高いヒュー・ローリーもチョイ役で場をさらうパフォーマンスを披露)
アラン・リックマンとヒュ・ーグラントも「これがキャリアのベストだ」
と言っても過言ではないパフォーマンスでしょう。
一見、時代劇、女性向けのように思われて敬遠されているかもしれませんが、
実は、老若男女が楽しめる、超一級の娯楽映画です。
いつか晴れた日に【字幕版】 [VHS]
この映画は、アラン氏のファンの私としては最高です!!
ハリポタのスネイプ先生や、ダイハードのハンスなど悪役の目立つ俳優様ですが、この映画では、優しいアラン氏がご覧になれます。でも、優しくてもあのステキヴォイス変わりません!!素敵です!!
いつか晴れた日に [DVD]
古き良き時代のイギリスが、美しい田園風景とともに丹念に描かれている。自分の感情のままにふるまう妹と、自制心と理性を失わない姉。さまざまな周囲のうわさにふりまわされつつも、最後には心の成長を経て、お互いにないものを身につけ成長してゆくまでの過程がすばらしい。最後には観ている者の心にさわやかな青空が広がる。