THE BEST(7)舘野泉【HQCD】
日頃、お世話になっている、楽器店の紹介で、生演奏を聴く機会に接しました。今まで、いろんな演奏を聴いて来ました。でもその中で文字通り目から鱗を原体験しました。ピアノ調律師さんとも素晴らしいと意見が一致しました。翌日、Netで購入しました。私のコレクションの中で一番です。知人から伺った話です。CDを100回聴くくらいなら、生演奏を1回聴く事。
フィンランド・ピアノ名曲集
フィンランド作曲家のピアノ小曲集で、曲目を見てください。こんなに沢山入っていてしかも演奏は館野さん。大好きな「樅の木」はあるしメラルティンの「舟歌」はチャイコフスキーのそれより怪しげでしっとりと色っぽく、軽快で楽しいものもあれば、激しいもの、低音を響かせた重厚なものなどさまざまな叙情的な曲が盛りだくさん。フェイザー社から「FINLANDIA」というこの曲集の楽譜もあるようです。聞いていると楽譜も欲しくなるほどです。
ひまわりの海
NHK BSでやっていた「左手のピアニスト ~ 舘野 泉 再びつかんだ音楽 ~ 」を見て気になっていた舘野氏のエッセイである。
淡々とした語り口でなんとも心地よいエッセイであった。
私もこのような白秋の時をすごしたいものである。
いつか夏のフィンランドに行ってみたくなった。
ピアニストの時間
舘野泉さんが約40年の間に書いてきた文章を一冊にまとめた本です。
シベリウス、パルムグレン、シューベルト、シューマン、
武満徹らの作曲家と作品の魅力と真髄を語る一方で、
タンゴについてもその運命的な出会いを熱く述べています。
“音楽それ自体が語る”を信じる舘野さんの、
ピアノに触れられること、音楽と対話できることの
歓びにあふれています。
ただ、不適切な日本語や誤字が目に付いたのが残念でした。
風のしるし-左手のためのピアノ作品集
失礼ながら私は60年代以降のロック・ソウル等の音楽を聴き続けてきて、最近ようやくクラシック等の音楽に耳を向けた人間ですから、良い・悪いの判断は非常に主観的で感覚的なものですが、広島の音楽店にこのCDが並べられており、気になって購入し、現在聴き終えたところです。正直、感嘆としか言えない自分自身に驚愕を覚えています。
人間は五体満足に生まれてくるだけでも「ありがたい」事ですが、舘野氏のようにアーティストとして大成功されながら、病で右手の機能が不自由になられていて、普通だったら致命的な打撃を心に受けつつ病に負けていく方々が多い中、このCDで舘野氏が弾かれているピアノの音、旋律には右手の不自由を全く感じさせないどころか、それ以上に「心に沁みる何か崇高な音」を感じました。人間は生きている限り、あるいは生かされている限り、人様に対して何かを与えていく事が必要だと、良く松原泰道先生等の書物から学習しましたが、それを正に舘野氏は実践し、更に我々に感動を与えてくれる…本当に素晴らしい事と思いました。