GIRLSブラボー first season 2 [VHS]
テレビ放映時では余計な演出の為に非常に見辛くなっていたものがここでは非常に見易くなっています。
今見返してみると却って新鮮なものに思えますね。
新キャラも登場したことだし。
ぺとぺとさん 第7巻 [DVD]
このシリーズ、ぺと子の関西弁と屈託の無い性格の魅力が、全編を貫きます。
そして、多様な属性の種族と、普通の人間とが、大きな軋轢もなく共存している平和性が、非常に良いです。
実社会には、排除の論理が、大きな壁になる場合もあります。
それが、徐々にではあるものの、特に、若い世代程、壁は小さくなりつつあります。
こんな事を、連想させられました。
シリーズ全体は、「共存」という点では、非常に未来志向です。
作品全体が、一定のメッセージを発しているかの様です。
それぞれのキャラクターは、意表を突かれる、個性に溢れています。
そして、何より、大変美しいラストシーン。
美しい映像と、のどかな雰囲気。
浸れます。
愛より速く (新潮文庫)
ポップなのが読みたいと思ったので、読んでみた。なぜか新潮文庫の夏の100冊に入っている(「現代文学」のくくり)。
いろいろな意味でつっこみどころ満載の一冊だ。
…マサルは自分のコンモリしたところに私の手を持っていくと、
「ほしいか」
と聞く。
「当たり前じゃ、はよくれ」
とも言えず、それに頬ずりをしていると、突然けたたましく電話がなった。
で、この電話はマサルの彼女の美香(そして書き手≒斎藤綾子の友達)からなんだけど、美香はマサルと付き合いながら別の男を見つける。
…「うん、それから、今働いているところで、いい人みつけたの。二十六歳のコックさんでね、昨日、『一緒に店を持ちたい』なんて言われちゃった。これプロポーズの言葉でしょ。わたしすごく幸せ。今日もこれから会うんだ」
にゃんと、、、女はこうして男を開拓してゆくのか。彼女[美香]と別れ、マサルの部屋で蜂蜜を塗りたくった男根をしゃぶりながら、私は静かに物思いにふけっていた。
ほんとかよ、と思うけど、ほんとにこう書いてあるからしょうがない。ほかにもこんな話ばっかりなんだけど、不思議とエロくない。もしかしたら、ほんとに静かに物思いにふける場所なのかも。
エロっていうのは、写実的かつ情緒的に書くとポルノになる。情緒的かつ観念的に書くと純文学になる。日経の連載になると渡辺淳一になる。あっさり日記っぽく書くと斎藤綾子になる。
これが新しかったんだろうな。1980年頃には。25年前なんだね。
ルビーフルーツ (新潮文庫)
かなり赤裸々な性欲の吐露があるが、そこには何某かの狂おしい悲しみのようなものがある。これらの作品は当初ポルノ小説として、男性雑誌に掲載されていたということだが、これを読んで欲情する男はそんなにいないだろう。日本のポルノグラフィーのほとんどは、男が男のために作ったものが多いから、そうした文化的装置がこの作品には組み込まれていない。男は、単に道化か性欲の捌け口的な役割しか与えられておらず、各話の主人公の性的志向は概ね女性に向いている。小説としては、作者の心情告白といった感じで、普遍性を持ちうるほどの高みに達していないと思うが、最後の「神々の熱い夜」などは、文学としてもかなりのレベルと思う。