神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く
イスラーム圏各地の底辺社会に潜入した作者が、ノンフィクション
と文学作品の境をギリギリ縫ってまとめあげた力作。地理的にカバー
する領域が極めて広いこと、同時に、人々との接触の度合いが(その
まま受け止めるのであれば)極めて深いことに驚かされる。
これだけの取材を積み重ねた筆者の努力には敬意を表するが、言葉の
問題などもある中で、どこまで本当にやりとりされた内容なのだろう?
その疑問が最後まで脳裏を離れることはない。
短編1話、次々に完結していく物語を読み継いでいくと、この読後感
はなんなんだろう、そう、ひょっとすると、4コマ漫画に似ているの
かもしれない。内容が悲惨なのにも関わらず、読後感があっさりして
いるのはそのせいなのか。
すいか DVD-BOX (4枚組)
今時珍しい賄い付きの下宿「ハピネス三茶」を舞台に、
そこに下宿する人々の人間模様を描いたドラマ。
主人公の小林聡美は30代半ばで、親と同居する信金勤めの
独身OLだったが、同僚の小泉今日子の3億円横領事件をきっかけに
自分の生き方にふと疑問を持ち、手始めにたまたま目にした「下宿人
募集」のチラシを頼りに「ハピネス三茶」に住み始める。
下宿人、オーナーはみな一癖ある女性ばかり、関わる人々も
一風変わった人が多いが、共通点は何かしら「欠落感」を抱えて
生きているということ。自分の意思で選ぶ人生、亡くなった姉
恋人、生き別れた母、平凡な日常・・・。しかし、全く物語に暗さは
なく、全体的にコメディータッチではあるけれど、「笑わせよう」と
いう笑いではなく、そこはかとなく「可笑しい」。そして、相手への
さりげない気遣いにあふれた登場人物のやり取りは、一話終わる
ごとに温かいもので心を満たしてくれる。
「教授」にぴったりの浅丘ルリ子、そして、登場するだけで可笑しい
白石加代子(小林聡美の母)と、もたいまさこ(近所のバーのオー
ナー)をぜひ見てください。ともさかりえ、市川実日子のファッショ
ンもとても可愛いです。
昼の月・夜の魚
ディランも聞いた事がない私がこのアルバムを買うきっかけはNHKのテレビで彼が「ぷかぷか」を歌っているのを見たからです。大塚まさじという名前は知っていましたが、見るのも聴くのも初めてでした。
力の抜けた独特の声はとても魅力的で、すぐに買いました。2枚組のこにアルバム、どこから聴いても、いつ聴いてもとても良いですよ。50歳になると知らないミュージシャンは聴く機会がなかったりしますが、まだまだ良い音楽はあるもんだなー、と感じるこの頃です。バックミュージシャンも実力者ぞろいです!
音のサプリメント#24 静かな夜のカフェ
本当に夜のカフェ・・・というより、夜のシティホテルのおしゃれなBARか、クラブで流れているBGMのようです。
大人のジャズで、ベースの音や女性のボーカルも素敵で、ざわざわとした中でこのBGMを聞きながらお酒を飲むのは
最高だと思います。
ただ、私は、サロンのBGMとして購入してみたのですが、ちょっと失敗でした。ちょっと癒し系というリズムではありません。
仕方ないので家で聞くことにします。このアルバム自体はとても良いと思いますので、5つ星です。