2001年宇宙の旅 [DVD]
映画史上に残る、この大傑作の高画質化が、何より嬉しいです。
DVDリマスターが今ひとつ不満だったのですが、今回のBlu-ray化にあたっては、
オリジナル・マスターポジから、キッチリと高画質リマスターが図られています。
ワーナーブラザーズにとってキューブリック作品、特にこの「2001年」は、
世界中にコレクターが存在するので、発売すれば必ず売り上げが見込める、いわゆる「ドル箱」ソフト。
DVD化にもBlu-ray化にも積極的なワーナーブラザーズは、
初期のタイトルにまずはこの「2001年」をエントリーし、普及を目指す訳です。
そのためか、結構中途半端なリマスターを行う傾向にあります(キューブリックも死んでしまったので)。
しかし今回のHDリマスターは、さすがにキッチリ仕上げた様で、DVD版とは比較にならない高画質です。
音質の方は、DVDリマスター時にオリジナルの6chマルチトラックを5.1chに丁寧にリミックスする作業をしていて、
その時、かなりの高音質化が図られていました。
Blu-rayではDolby TrueHD 5.1chですが、マスターはこのDVDリマスター時のモノです。
いづれにしましても、現時点(2011年2月)でこれ以上の高画質・高音質の「2001年」のソフトは存在しません。
DVDリマスター版をお持ちの方も、今回は購入された方が良いと思います。
本当は70mmフィルムプリントで劇場で観たい作品でありますが、こればっかりは仕方ありません(笑)。
特典映像も充実しています。
LD、DVD、Blu-rayと買い替え続けた「コレクター」の一員として、
今回のHDリマスターはお薦めです。
2061年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)
宇宙の旅シリーズの第3弾です。本来ならシリーズ第3弾は『20,001年宇宙の旅』というタイトルの完結編になる予定でした。ところが、執筆準備をしていた1986年にハレー彗星の地球への接近というイベントがあった為に、クラークはハレー彗星についての作品を書きたいと思い立ち、完結編の前にこの作品が登場したとのことです。2061年というのはハレー彗星が次に地球に接近する年です。この為、クラークの興味はハレー彗星の表面がどのようになっているかの仮説を展開することに向いており、シリーズ本来の本筋からはちょっと外れている感じもします。
それでも、中盤からは木星の衛星エウロパを探査していた宇宙船が難破してしまい、ハレー彗星の探査をしていた別の宇宙船が急遽救出に向かうことになるというやや強引なストーリー展開によって、前作で謎とされたエウロパへと舞台が移ります。しかし、完璧に謎解きはされず、第4弾『3001年終局への旅』へと興味をつなぐエンディングとなっています。
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首をながぁ〜〜〜〜くして待っていました。単品販売
流石ブルーレイですね、画像があまり良くないとのレビュー
も見られますが決してそんなことはありません断言します!!
映画としても音質、画質共にとにかく素晴らしい完成度で
冒頭に出てくる猿人の繊細な毛並みから月面の細かい岩肌そして
宇宙ステーション表面の質感といい映る物全てに至るまでの
質感表現が素晴らしく以前DVDでも持っていましたがDVDの
それとは遥かに違い購入して満足しています。美しき青きドナウも
より繊細な音になりかつダイナミックな音質もまたいいです。
いま亡きPANAMのオライオン号が宇宙ステーション着陸間際に動きを
シンクロさせながら回転してるシーンはドナウの名曲に
合わせまるでダンスでもするかの如きシーンは何度みても
飽きません、この2001年宇宙の旅って映画としても十分に楽しめますが
ビデオインテリアとしても楽しめるのが気に入ってます。
総合的にみてとても40年以上前の作品とは思えない
完成度に改めて感心しました。ただほんとこのスターチャイルドの
ジャケットデザインはちょっとがっかりですねぇ、
宇宙ステーションから飛び立っているオライオン号の
イラストジャケット慣れてしまってるので少し
イメージダウンしてしまいましたがお勧めですよ
2001年宇宙の旅
思えば大学生の時にシネラマの画面のロードショウを観てから34年ほどにもなります。その後20年ほどはSF物でこの映画の影響を受けなかった映画は皆無と言ってもいいですね。で、音楽ですが、両シュトラウスがあまりにも有名になったので、陰に隠れた感があるジョルジュ・リゲティの音楽。この音楽も、その使われ方も実に素晴らしかった。これで「現代音楽」を当たり前に聞けるようになったといっても過言じゃありません、勿論個人的なことではありますが。音楽担当になり損ねたアレックス・ノースさんの音楽も悪くはないけれど、リゲティの前ではちょっとつらい。それぐらい見事に嵌まっていました。両シュトラウス以外の音楽に是非耳をそばだててください。
まだ字数があるようなので・・・初めて観たとき、シネラマの画面が5分以上だったと思う、真っ暗だったのです。ハハーン、始めに暗闇があった、てな風に始まる聖書から来ているんだろうなあ、なんて自分としては妙に鷹揚に待てたのですが、そうでない観客もいて騒ぎ出した。映写室にむかって怒鳴りだしたんです。興ざめしたのを少し覚えています。隣で一緒に観たクリスチャンの親父がどう思ったか、話し合った記憶はありません。その後何度も見る機会を持ちましたが、そのいずれの機会でも数分間の暗闇はありませんで、ひょっとすると初めて観た時のが単なる映写上のミスだったのかもしれない、と思ったこともあります。真相を確かめたことはありません。
当時はサントラでは厭で、中の曲をE・ブール指揮、南西ドイツ放送交響楽団の「LP」、ARGOの輸入盤を1枚買い求めたら4千数百円取られたので仰天したというのも思い出です。
2001: A Space Odyssey
映画は象徴的かつ魔術的な手法を駆使した「トリップ系」作品だったが、小説の方は、土星への旅を
しっかりと叙述した「ジャーニーもの」。スターゲイトに到達するくだりは感動的。
生命の循環と永遠性をこれほどきっちり描いたものを初めて読んだ。
『2001年 宇宙の旅』はSFの天才と映像の天才ががっぷり四つに組んで作り上げたものだが、
一般的にはクラークがキューブリックに引き込まれて振り回されたような言い方になっている。
でもこのSF小説を読むと、最後に笑ったのはクラークの方だったことが分かる。
特に土星(映画だと木星)到着以降は、小説の独壇場で、映画ははるかに及ばない。
読み終わってみると映画の方が小説の壮大なPVにさえ思えてくる。
コメントしておきたいのは、2冊ある『2001年 宇宙の旅』の文庫本について。
1冊は、最初に出た「イラストがカバーに使われている」もので、もう1冊が「映画のカットが使われている」もの。
映画のシーンがカバーだからという理由ではなく、こちらがオススメ。
本文が改訳されているし、巻頭に「著者の新版序文:バックトゥー2001」もついている。
「スタンリー・クーブリックがわたしに手紙をよこし、”語りぐさになるようないいSF映画を作りたいのだが、
なにかいいアイデアはないか”と問い合わせてきたのは、1964年の春のことだ」
という書き出しから始まる15ページほどの文章。こんなにワクワクさせてくれる前置きはない。
この序文を落としては、楽しみが半減してしまう。
「原書」についてもいくつかのバリエーションがある。三日月の表面がくっきりと見える最新刊がオススメ。
これには邦訳最新刊「決定版」よりも最近の前書きが、ふたつ付いている。
アーサー・C・クラークは2008年まで生きたので、スタンリー・クーブリックよりも長生きした。
この本の冒頭に置かれているのは、「スタンリーの思い出に」という短文で、
クラークは「この本に掲載した新しい序文を書き終えた2週間後に、ショッキングな、
まったく予期していなかった出来事を知った。スタンリー・クーブリックが70歳で亡くなったというのだ。
彼は2001年に映画のための特別なプロモーションを考えていた。私もそれに加われるのを楽しみにしていたのに」と
書き、スタンリーとの最後の交流のことを綴っている。
その後に「ミレニアム・エディションのための序文」がある。
これは、邦訳「決定版」巻頭の「新版序文」の書き出し部分を若干修正したもの。