Overseas
ジャズピアニスト、トミー・フラナガンは、ソニー・ロリンズの"Saxophone Colossus",ジョン・コルトレーンの"Giant Steps"・・・等のセッションに参加したことで有名である。彼の繊細でエレガントなピアノが名盤に華を添えている。名盤請負人とも呼ばれる所以であろう。
キャリア後年の円熟したプレイぶりも目映いが、フラナガン初のソロアルバムであるハードバップの香りが漂う本トリオ作の味わいは格別だ。チャーリー・パーカーのRelaxin' At Camalliroから始まり、スタンダーズのChelsea Brideを経て自作の5曲を夾み、最後はWillow Weep For Meで終わる。とても聴きやすい選曲だ。
フラナガンのバックを務めるのが、Elvin Jones(ds),Wilbur Little(bs)だ。名ドラマー、ジョーンズ(フラナガンのデトロイト時代からのバンドメート)の参加がこの名盤のキーポイントだろう。彼のポリリズミックなブラシでのプッシュが、甘く流されがちなフラナガンのピアノをハードな方向に導く。微に入り細に入ったスネアでの演出もなかなか手が込んでいる。豪快さが売りのジョーンズのもう一つの面を見た思いだ。ベースのリトルの落ち着いたまろやかなプレイも良い。この三人の静かな一体感に聴いていてどんどん引き込まれてしまう。
ジャズの当たり年の1957年8月15日、スェーデンはストックホルムでの録音。このとき三人は、J.J.Johnson Quintetの一員としての訪欧だったらしい。この”無名”のトリオを録音したレコード会社(メトロノーム)のプロデューサーの慧眼に敬意を表したい。
フラナガンのピアノをお聴きになろうという方に、まず最初に推薦したい1枚だ。Cだらけの駄洒落ジャケット(Over Cs)と、髪の毛フサフサのフラナガンのポートレイト写真のジャケットの2種類あるが、後者がオリジナルらしい。
ジャズコンボコピーシリーズ2 トミーフラナガン (ジャズ・コンボ・コピー・シリーズ―LULLABY OF CATS…)
本書はジャズ・ピアニスト、トミー・フラナガンの3枚の名盤から採譜されたものが楽譜となって収録されている。採譜者・河本芳子さんの音感のすばらしさに感動。CDを聴きながら、譜面を目で追うという楽しみ方も。欲を言えば、これら6曲の中にはフラナガンのオリジナル曲が含まれておらず、せめて1曲でも入っていればよかった。その点は悔やまれる。しかし、スタンダード曲が中心となっているので、ジャズ初学者でも十分に活用できる一冊となるだろう。
なお採譜の元となったCDは『コンプリート・オーバーシーズ』『レディ・ビィ・グッド~エラに捧ぐ』『スーパー・セッション』。今も入手可能なフラナガンの代表的アルバムである。
ジャズ・ピアノを勉強したい方は、絶版になる前にぜひ購入すべしデス。また、ベース・ライン、ドラムもきっちり採譜されているので、ピアノ・トリオでの演奏を勉強中の方にもお勧め。
覇王伝アッティラ【完全版】 [DVD]
この作品は英国のDVDをパソコンから観てまして、ジェリーの澄んだ瞳に引き込まれ何度も何度も繰り返して観れば観るほど惚れ惚れする作品でしたが、英語が苦手な私にとっては物語の細部の意味が解らず早く日本語字幕が欲しいと思って何年も待っていまいた。ジェラルド・バトラーの「300」のスパルタ王も良いですがこのアッティラ王も素敵です。
ザ・コンプリート・オーヴァーシーズ+3 ‾50ス・アニバーサリー・エディション‾
トミー・フラナガン (Tommy Flanagan 1930年3月16日〜2001年11月16日) は、アメリカ合衆国ミシガン州デトロイト生まれのジャズ・ピアニスト。リーダー作も魅力があるが、特にサイドに付いたアルバムに優れた演奏がある。例えばロリンズのサキコロ、コルトレーンのジャイアント・ステップ、ベニー・ゴルソンのブルースエット、ウェスのインクレディブル、ケニー・バレルのイントロなど。演奏は極めて自己顕示の少ない緻密で確かな技術が定評である。また共演者と対立しない温厚な性格も温かな音となり大きな特徴といえる。アルバムは1957年の録音でジャズ・ピアノ・トリオ史にも残る不朽の名盤とされる。共演者はベースがウィルバー・リトル、ドラムがエルヴィン・ジョーンズ、煽るリズムに乗せられ少し饒舌になったフラナガンが聴き所。この点が今でも賛否両論となるところで、これからも永遠に語り継がれていくことだろう、名盤には名盤たる所以がある。
(青木高見)
スモーキン・エース2 [DVD]
「スモーキン・エース」第一作目との比例ですが 確実に作品の品質が落ちています。 第一作目は話に軸がシッカリありましたが今作では、それが無いように思えました。 そしてスモーキン・エースの見所「戦闘シーン」ですが 第一作目のラストの殺し屋達が一所に集結する銃撃戦は針積めた緊張感が感じられたと思います。 しかし今作では「緊張感」が無くなり、ただかっこよく見せているだけの安物B級アクション映画のような、少しチープな戦闘シーンになっており大変残念です。 その他キャラクター個性も少しばかり薄くなっております。