Greenslade/Bedside Manners Are Extra
デイヴ・グリーンスレイド率いる英国ロックバンド、グリーンスレイドの1st/2ndカップリング2枚組
1st
ギターレス、ツインキーボードという編成で、レトロなオルガンを鳴らしながら
軽やかに聴かせるサウンドで、英国らしい湿りけとキャッチーな聴き心地が魅力的。
クラシカルな優雅さを含みつつも、大仰にはならないシンプルなポップ感覚というものがあって、
濃密にプログレ、プログレしていないところが70年代前半の作品ではかえって珍しい。
オルガンにかぶさるメロトロンの響きも美しい。
2nd
ブリティッシュの香り漂うメロディアスかつやわらかみのあるサウンドは
前作以上に洗練され、クラシカルなピアノとハモンドオルガンがしっとりと美しい。
幻想的なメロトロンの響きにたおやかなフルートの音色、プログレ的に鳴り響くオルガンとともに、
楽曲におけるメリハリとシンフォニックな質感という点でもバンドの最高傑作だろう。
Greenslade
普通の演奏だと思っていると
ふっと、曲の展開が切り替わったり
印象的なキーボードの音が
飛び込んできたり、、、
ドラムがしっかりしているので
複雑な曲構成もスマートに聴かせます。
ギターがないせいか
曲調は若干ソフトなジャズロックという感じで
時代も感じさせますが、
演奏のセンスの良さで
充分今でも楽しめる質の高さが
備わっているのかなあ、と思います。
Spyglass Guest/Time & Tide
デイヴ・グリーンスレイド率いる英国ロックバンド、グリーンスレイドの3rd/4thカップリング2枚組
3rd
1曲めはクラシカルなオルガンで軽快に聴かせつつ、ムーグシンセやメロトロンを絡ませて、
これまで以上に鍵盤を意識した楽曲はオランダのTRACEあたりを思わせる作風。
一方で、歌入りの曲ではよりポップな質感も増していて、ゲストによるギターも入ってきて
新たな方向性の模索が感じられる。5曲めでは艶やかなヴァイオリンとオルガンの絡みが美しい。
ただ全体として決して悪い出来ではないが、作品としてはまとまりきれていない印象もしてしまう。
4th
ベースのトニー・リーヴスが去り、ギターとベースを弾くマーティン・ブライリーが加入、
サウンドはぐっとポップなロック色が強まり、2ndまでの英国的な鍵盤ロックからは脱却している。
曲によってはクラシカルなプログレ風味も残しているが、全体的には大人のロック風味で、
モダンで軽妙なアレンジはお洒落ですらある。本作を最後にバンドは解散、2000年の復活を待つことになる。