ラ・プティット・ファデット La Petite Fadette
本書はGeorge Sandの「愛の妖精」を下敷きに構築された
ミステリテイストなコミックです。
田園小説からコミックというのが珍しい。
さらに東京創元社からのコミックであり、また珍しい。
基本的に絵が巧いですね、
見やすく分かり易い人物描写、
通読に耐えるコマ割りと息抜きで構成され、
実によくまとまっています。
ただ、読了後はきっとSandの「愛の妖精」も読みたくなるはず。
愛の妖精 (岩波文庫)
漫画・嗤う伊右衛門 (単行本コミックス―怪BOOKS)
貧乏長屋に住む生真面目な浪人伊右衛門と疱瘡痕の醜い顔でも気丈に生きる岩との純愛物語。
個人的に、姿が醜くも、岩の凛とした強い生き方と心根に惹かれます。
小説から映画、嗤う伊右衛門人気からついにひっそりと漫画化ですね。
愛憎劇と簡単に説明しちゃえばそれだけですが、
現代にはあまりみない美しくも儚い京極版四谷怪談、漫画版もいいです。