比較文化論の試み (講談社学術文庫 48)
本書の1章に、吉田松陰が獄中で妹に送ったとされる手紙の一文が出てくる。
妹は松蔭を心配し、「法華経を読んで心を落ち着けてください」という。
それに対し松蔭は「私は、そのような宗教は必要としないが、
お前たちが経を読むことは否定しない。それで安心が得られる
のならばそれはいいことだ。」という返事を返したと言うのだ。
この松蔭の言葉は、今の日本でもごく一般的に見られる
宗教に対する心理的態度ではないだろうか。更には、
「人間ならばこういう考えは普通だろう」とも思ってしまうかもしれない。
しかし、この考え方それ自体も何らかの伝統の産物であり、
結局はある地域にある一つの考え方に過ぎないのだという。
こういう考え方は、普段は「自然」とか「常識」と言う言葉で
済ませてしまい、まず言葉で説明することは無い。というか出来ない。
一方で、同じ集団の中では「自然」とか「常識」で済ませられることも、
いちいち言葉にして違いを解説しなければならない世界もあった。
欧州から中東にかけての地域である。ここでは多くの民族、国家が常に
入り乱れており、相互の誤解や不信が、下手をするとどちらか死ぬまで
争うという結果を招きかねない状況であった。そのため、彼らには、
仲間うちでのみ通じる「自然」「常識」を、相手の尺度でも理解できるよう
説明する必要があったのだ。
本書では、こうした日本と欧州中東との事情の違いを、筆者の身の回りの
出来事や歴史的事件などを踏まえてわかりやすく解説している。
同著者の「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))とは、「臨在感」に関する説明など
大いに内容の重なる部分があるので、併読するとより理解が深まると思う。
じょうじなまはげ [VHS]
テーマソングはタケカワユキヒデ。一度聴いたら忘れられない。
パペットアニメーション。
なまはげ設定もすごいが、そのポップでキュートなつくりは最高。
続きをみたいもんです。
VHSの他にもCDーROMでじょーじと一緒に昔なつかしゲームもある。
究極超人あ~る BOX
OVA「究極超人あーる」のサウンドトラック&おまけ盤のリマスター。山本正之「飯田線のバラード」、笠原弘子「くちびるにメモリー」、12分超の大作「はっぴい・ぱらだいすの逆襲」など名曲揃い。またサウンドトラックも山本正之作の「歌心のあるサントラ」と田中公平作の「センスのいいサントラ」が混じり合っていい雰囲気を出している(tr.36「自動的消滅作戦!」は笑い転げること必至!)。なかなか出来はよい。
しかし、この作品は音楽スタッフこそ同じであれ、他はOVAに沿っているので、あーる本来の世界観というか作品の持つ「空気感」とはちょっと離れてしまったことは否めない。そもそも、あーるをOVAにしようとした背景には、「機動警察パトレイバー」の大ヒットと当時の好景気があった。つまり、「パトレイバーバブル」「ゆうきまさみバブル」「バブル経済」の3バブルに乗っかって作られた作品であり、勢いで作ってしまった感がある(そして、皮肉なことにOVAの発売された91年からバブル経済は下降し、リリース半年後の92年春には完全に破綻していた)。そういう理由で、一番の大作ながら、実は「一番あーるらしくないあーるのアルバム」になっている。むしろ、OVAを頭から除いて、一つの音楽アルバムにドラマがついている、と考えた方がすっきりするかもしれない。
とにかく、「CD自体」の出来はいいのだから、先入観なく聞くことをおすすめする。ドラマもOVA寄りで、ちょっと「あーるの世界」から離れているのだが、塩沢兼人さん、鈴置洋孝さん、長谷有洋さん、そして春風亭柳昇師匠と物故された方々の声が聞けるのはうれしいことだ。CDとは別の、「あーるのもう一つの到達点(アニメ化)の記録」として手にしておきたいアルバムであろう。贅沢を言うと、ピクチャーレーベルが再現されなかったのは、やっぱり惜しいなぁ・・・。
タンブリング ~初回2時間スペシャル・エディション~ [DVD]
ドラマの内容については
ビデオに撮って何度も見ているので
飛ばして特典を見ました。
ドラマよりもドラマだったのが
制作発表までの軌跡です。
吹き替えなしというのは知っていましたが、
クランクインするまでの
出演者の方々の努力に頭が下がりました。
他の仕事とかけもちしながら
ドラマの設定上とはいえ、
本当に大変だったんだ…と思ったし、
先に特典を見てドラマを見ると
何度も見ていても
また、違った見方ができて面白いです。
制作発表当日にも
あんなことがあったんだ…なんてね。
タンブリング コンプリートBOX [DVD]
アニメ・ミュージック・カプセル(銀河旋風ブライガー/銀河烈風バクシンガー/銀河疾風サスライガー)
J9シリーズのレコードサイズの歌は、元々のレコード発売元であるキングレコードから発売された「ロボットアニメ大鑑 下巻」に収録済みなので、すでにありがたみは全くない。ナレーション入りのTVサイズ主題歌だけでは「売り」が弱い。なんで今更J9の歌物企画なんて出すのか、正直疑問。また、個人的にはオリジナル(=本物)に拘りたいので、リマスタリングもマイナスポイント。