南米のエリザベス・テーラー(DVD付)
批評家も嫉妬するほど饒舌で、頭のよい菊地成孔さんですが、音楽に関しては本当に誠実だなあと感じさせられる一作。ブエノスアイレスの、パリの、そして東京の空気がたっぷりつまっています。
これがジャズの正統派かどうかなんてことはどうでもよくって、菊地さんのエロいサックスや南博さんの硬質でエレガントなピアノ、大友良英さんの奏でるボサノバ風ギターなど、一枚通してとても楽しめます。
女子の皆さんは「京マチコの夜」をキャミソール一枚で、お化粧しながら聞いてください。モンマルトルの丘のふもとのキャバレーで出番待ちしている気分になれますよ。
南米のエリザベス・テーラー
ゴダールからの影響を公言する菊池氏による、「ラテン・ジャズ/タンゴのゴダール的解釈」とでも言える音。音と映像がカットアップされたゴダール映画を音だけ聴いているような感覚がラテン・ジャズと重なる音世界は知的でスタイリッシュだ。
一方で、歌や語りが西語ではなく仏語と英語なのは底が浅い気もするが、まあこれはご愛嬌として、星を減点した最大の理由はボーカルの弱さである。朴訥とした英語の発音とノドの弱さがバック陣の演奏力とバランスが取れていないところが気になる。耳の良いこの人がフロントマンとして「歌いたい」という自己顕示欲を抑え切って楽器の音だけで勝負していたら、もっと完成度の高いセクシーな音楽になっていたはずだ。
東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2枚組) [DVD]
かなりヤバかった映画ですね。3年前に母を亡くしてる自分にとって主人公のボクにはかなり共感できました。
オカン役の樹木希林とオトン役の小林薫は言うこともなく完璧だったし、ボク役のオダギリ・ジョーは原作者リリー・フランキーと雰囲気が似ているし、オカンとのふれあいもナチュラルでうまかったです。ハマリ役ですね。
途中何度も涙腺が緩みましたが、ボクがオカンに最後にかける言葉や、ラストのセリフはひたすら優しくて、朗らかで感動が高まりました。
実際に母親を亡くしてる人には・・一人で鑑賞することをお勧めします。
ペーパームービー (講談社文庫)
この本を買ってから、もう10年近く時間が経っていますが
今でもとても好きな本です。
彼女らしい文体がとても新鮮!
くすくすっと笑えたり、なるほどと感心したり・・・・
いつまでも、大切に持っていたい一冊です。