祝! 四代目市川猿之助襲名記念 僕は、亀治郎でした。
亀治郎ファンです。飛びついて買いました(笑)。亀治郎さん自身が書いたものを期待したところ、対談や寄稿と写真。それはそれでおもしろく十分楽しめるのですが、まるで雑誌か筋書き(涙)。ぜひ、落ち着いてから、芸談・哲学を書き下ろしてください。楽しみに待っています。
原典 平家物語 24 競 (きおう) (DVD)
『平家物語』の中に息づく、普遍的な現代性を引き出しました。亀治郎(現四代目猿之助)さんの古典の素養と、新しいものに挑戦する姿勢が活きた企画です。ことばの持つ力を知る人の朗読は美しく、きっぱりとした語り口が、聴く者を力強くひっぱり、余韻を残す終わり方も見事です。一人で演じ分ける七役は、現代の服装のチョイスも含めて、楽しいものでした。注意点として、古い機種のDNDプレーヤーでの再生はできませんでした。BDレコーダー/プレーヤーでは、きれいに再生できました。
カメ流
彩の国のシェークスピアのキャタリーナが余りに綺麗で妖艶だったので、どんな人か興味を持って買った。前から変わった人だとは聞いていたけど、そんなことがなく、むしろ素直すぎる人だと思った。勉強家でとても頭のいい繊細な人だと感じた。
亀治郎の肖像
六月に四代目猿之助を襲名する亀治郎丈の最初のアルバムです。ここ三年くらいの舞台がほぼ収録されており、二十二年の「亀治郎の会」『千本桜』四の切から、猿之助四十八撰含めて、あの、練りこんだ濃密な舞台がよみがえります。関東地区のは全部観たつもりですが、この写真は単なる記録でないのはもちろんのこと、時間差で撮ったものが一枚の中に焼き込まれていたり、大胆な角度からえぐってあったり、ものすごいアップがあったり、わざとブレをにじませたり、写真技術には詳しくありませんが、どれを見ても「絵巻物」「錦絵」として楽しめるような、そんな圧倒的な一冊です。
水入りもあった「黒手組の助六」、涼しげな「小栗判官」、新春の「八犬伝」の犬山道節(蟇六のほうは入っていませんが)、そして驚いたことに、つい半月前に観た山城屋型の「勘平」まで、表情が何枚ももらさずにおさめられています。「勘平」は、音羽屋型とは全く違う、「武士の一分」の強調された演出で、色男というよりあくまで凛々しい勘平の生き様が強くえがかれていて、痛かった・・・
個人的には三代目猿之助の「ヤマトタケル」初演からずっと澤瀉屋の舞台を観てきて、その壮大な意気と先駆者の志に感ずること久しく、猿之助丈が倒れてからわびしい思いがつのっていましたが、ここ数年の亀治郎丈の伯父写しの活躍が頼もしく、そして襲名が決まったときには、わがことのように嬉しくなりました。
ときどき、おそろしいほど伯父、猿之助丈と似た表情を見せることがあり、この写真集でも、ふっと流した不敵な目線とか、にっとほお骨をあげた満足した猫のような笑いとか・・・。
なお収録作品中『天下茶屋』は最新の浅草公会堂のものではなく、前のこんぴら歌舞伎の写真ですが、亀治郎丈ならではの元右衛門のお茶目な表情が何枚もあるほか、劇場の雰囲気もよく出ています。ほかに蜷川演出の「じゃじゃ馬ならし」や「独楽」「お夏狂乱」「悪太郎」などの舞踊ものも颯爽たる躍動感に満ちています。
写真を眺めるだけでも美しいのですが、付された短い言葉にも亀治郎丈の強い意気込みとたゆまぬ努力が伝わってきます。三代目の大らかさとまた違って、彫琢した性格表現にリアルさがあり、ことに舞踊の体のキレが抜群である新・猿之助丈に心から期待します。
彩の国シェイクスピア・シリーズ NINAGAWA × SHAKESPEARE DVD BOX 9 (「じゃじゃ馬馴らし」/「アントニーとクレオパトラ」)
じゃじゃ馬馴らしの舞台を観に行けなかったので、DVDを買いました。値打に買えてラッキーでした。山本裕典くんの初めての蜷川幸雄さん演出での舞台。上手に演じ切っていました。亀次郎さん、筧利夫さん、月川くんの演技にも興味があり本当に買って良かったです。