フーテン―青春残酷物語 (シリーズ黄色い涙)
下手な映画を観て帰り食事でもして。
でいくらかかると思います?
それに比べてこの「フーテン」は3000円以下で永遠の芸術を手に入れる事が出来る。
しかも何度でも味わえる。
こんな贅沢な事があるだろうか?
良質な娯楽は芸術と呼ぶ事にしている。
永島慎二のこの作品はそこまで昇華した永劫に残る価値ある芸術的遺産です。
ミラクル少女リミットちゃん DVD-BOX
1970年代の変身・怪獣ブームのあおりを受けて、
東映動画の魔女っ子路線に「サイボーグ」という、
設定を持ち込んだ意欲作が、ついに初の全話パッケージ化!。
原版が35ミリフィルムだったというのも驚きですが、
初公開のパイロットフィルムには驚愕。
本編中で描かれなかった、リミットちゃんが
サイボーグになった事故のてんまつ、
無駄な機能の多い(笑)、七つ道具の設定がここに!。
当然ながら新番組予告編、初期版オープニングも収録。
(初期版は素材が現存せず、再放送ビデオからの収録。
そのため時刻のテロップ入り。一番最近の関西再放送では
あったんだけどな・・・)。
これぞ西山リミット決定版!ともいえる商品となりました。
惜しむらくは、他の魔女っ子たちのBOXアートが、
描きおろしだったりするのに、こちらの商品は・・・。
二度とないソフト化かもしれないので、
BOX、解説書とも、もうひとしずくの愛が欲しかった・・・。
なにはともあれ、発売を心待ちにしていたファンには
ぜひ、おすすめの逸品。これで、東映まんがまつり版
ブローアップ劇場用まで入っていれば、
この世に現存するリミットムービーは完璧?だったのにね。
黄色い涙
太い線。デフォルメされた特徴。奇麗にもかっこよくも描かれていないキャラクターたち。
現代の、コマにびっちり描き込まれている漫画よりも、40年も前のこの漫画のほうがリアルにみえました。
いつの時代にも働かない若者っていたんですね。当時もやっぱり問題になったのでしょうか?
普段はニートの特集などをみると「言い訳しないで働け!」と腹を立てるわたしなのですが、夢と現実のはざまで悩む主人公たちの姿をみていたら頑張れ頑張れと彼らの成功を祈りたい気持ちになりました。
この漫画をリアルタイムに読んでいた旧・若者たちは、共感やら懐かしさやら、忘れていた志やらを思い出して涙をながすかもしれません。
そして現役の若者たちは、自分の進むべき道に悩むこの漫画の若者たちの姿から、エールを受け取るかもしれません。
映画化されるそうですが、どんな映像になるのか楽しみです。
漫画家残酷物語・完全版(1) (その他)
待ちに待った完全版、前回の刊行時には結局2巻までしか出ず、3巻目はいまだ幻のままです。
今回は最後の3巻目まで同時に発売され、カラーページも完全復刻ということで出版される前からとても楽しみにして購入したのですが、購入後気になったのが、なにをもって完全版と称しているのかが曖昧なまま放置されていることです。
前回の刊行時、新たに発見された原稿を使用しており、それらは〜ページに使用している、という詳細な説明があったのですが、今回の版はその発見された原稿、というものに触れている説明はなく、3巻目に普通の解説文が書かれているのみです。
その発見された原稿が今回の版で使われたのかどうか等全くわかりません。
今回完全版と称するのであれば、何故今回の版が完全版なのかという詳細な説明が欲しかったと思います。
あと、気になるのが、他の方も書かれていますが、以前の版(数種類ありますが・・・)、と比べて今回の版は、線・・・以前はくっきりとしていた線がなんだか中途半端にかすれているというか、なんだか全体的に印刷の状態が悪いように思えます。
特別収録の「星の降る夜」にしても、僕の持っている青林堂、講談社漫画文庫、ちくま文庫の3種類の「フーテン」の中でいちばん状態が悪いようです。
まあ、この作品はずっと「フーテン」に入ってて、「漫画家残酷物語」の中に含めるのははじめてのことなのですが、せっかく完全版と称する今回の「漫画家残酷物語」に含めるのであれば、もうすこしいい状態のものを含めることはできなかったのかなとも思います。
この本を購入する人は、以前出版された「漫画家残酷物語」をすでに持っている方が多いのではないかと思います。
だからこそなのですが、「完全版」と称するのであれば、もう少し細部までこだわって欲しかったと思います。
そのあたりがとても残念です。
本の内容から考えると星が5以下というのは考えられないのですが、上記のことがありますので、今回は星をひとつ減らすことにしました。
本当に残念、次回?に期待します。