公開捜査 消えた子供たちを捜して!―続発した行方不明事件の謎 (二見WAi WAi文庫)
この本は、新潟県三条市で、失踪当時9歳だった女の子が、9年2か月ぶりに発見された後、同様の未成年者の未解決失踪事件を検証する目的で書かれた、近藤昭二氏(ジャーナリスト)の労作である。
この本で取り上げられて居るのは、1991年10月1日に横浜市旭区で失踪した野村香ちゃん(当時9歳)、1997年6月13日に三重県松坂市に近い斎宮付近で失踪した北山結子さん(当時17歳)、1991年7月24日に、福島県郡山市に近い船引町で失踪した石井舞ちゃん(当時7歳)、1997年6月29日に、岩手県普代村で失踪した金子恵理ちゃん(当時6歳)、1989年3月7日に、徳島県美馬郡貞光町で失踪した松岡伸矢君(当時4歳)、1991年3月15日に、三重県四日市市の富田の自宅から失踪した加茂前ゆきちゃん(当時8歳)、1996年7月7日、群馬県太田市のパチンコ店から不審な男に連れ去られた横山ゆかりちゃん(当時4歳)、の7人である。−−この中の加茂前ゆきちゃんについては、北朝鮮による拉致の可能性が高い。(理由は本書を読んで欲しい)
これらの事件の背景は、それぞれに異なるだろう。そして、警察も、努力をして居るだろう。しかし、冒頭に論じられる新潟県三条市の例を読むと、警察の初動捜査、その後の対応に、問題は無かったのかと?考えてしまふ事も事実である。
行方不明に成った子供たちの生還を心から願ふ。
(西岡昌紀・内科医/吉川友梨ちゃん失踪から3年目の日に)