天気晴朗ナレドモ波高シ―「提督秋山真之」と「日本海海戦誌」
この本は、秋山真之「日本海海戦誌」(『中央公論』昭和19年5月号掲載)と、
秋山真之会編『提督秋山真之』岩波書店 昭和9年を改訂、再編集したものである。
本書のほとんどは、『提督秋山真之』からなっている。
編集部注によると、原文そのままではなく、割愛、現代文への書き直し、表現の書きかえをしたとある。
なぜ、原文のまま掲載しないのだろう。
歴史に関心のある人間が、昭和の文章ですら、やさしく書きかえてもらわないと読めないのだろうか。
とくに「日本海海戦誌」はそれほど長くもなく、秋山真之の自著なので、原文で掲載してほしかった。
歴史的な文書を、現代人が商売のために勝手に書きかえるのはいかがなものか。
日露戦争物語―天気晴朗ナレドモ浪高シ (第6巻) (ビッグコミックス)
『日露戦争物語』は2001年からビッグコミックスピリッツに連載された風変わりな英雄譚漫画。主人公は日露戦争の日本海海戦において作戦参謀をしていた秋山真之海軍中佐。秋山真之氏は実在の人物。東郷平八郎司令長官のもとで作戦参謀として日本海海戦を勝利させた人物で丁字戦法、「本日天気晴朗なれども波高し」の名文は有名。その秋山真之の生涯を描き、人の成長とは、学ぶこととは、考えるということの本質は・・・といろいろ考えさせられる、好作漫画。