西瓜糖の日々 (河出文庫)
村上春樹さんの「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」の中の「世界の終わり」の章のような静かな世界が良かった。原文は読んで無いので分かりませんが、大変読みやすい翻訳という印象。子供の頃に読んでもらった童話の続きのよう。感動で涙が出るという本では無いと思うけど、なんかいいかんじの本。60年代前半に書かれていたというのもなんか妙な感じ。「物語」を読みたい方にはおすすめ。
神はサイコロを振らない DVD-BOX
小林聡美の映画が好きで何かいいドラマないかなあと見つけたのがこのドラマでした。最初は小林聡美のほかの作品に比べていまいちかなあと思ってみてましたが、だんだんと話に引き込まれあれよあれよと最終回まで見てしまいました。再び402便の乗客は消えてしまうという事態にもかかわらずほんわかしたコミカルなタッチのドラマでまったりみれると見てました。が、ラストで…ジーン。人それぞれでしょうが、自分はあの終わり方好きです。映画"ある日どこかで"のようなここでか!のタイミング。ジーン…。いいです。すごくよかったです。見て良かった。見た後、さびしさが残る素晴らしい作品でした。一人一人の乗客に隠されたエピソードを徐々に解明していくシナリオも、一人一人超一流ではないけど味のある俳優人もラストでジーンとくることによりホント素晴らしかったんだと再認識できます。台詞も深〜い一言が多かったと思います。当時、視聴率はよかったのかなあ?じゃなかったら、たくさんの人に見て貰いたいです。
二度寝で番茶
作者が脚本を担当したドラマ『Q10』。
『すいか』『野ブタ。をプロデュース』『セクシーボイスアンドロボ』と違い、
ストーリー性を放置して、より散文詩的になったと賛否両論です。台詞のひとつ
ひとつになにかしらメッセージがあり、こんなドラマは初めてなのではないでしょうか?
つまり、この本の大福さんと、かっぱさんのメッセージ、会話のリズムそのものが、ドラマの
骨格となったのではないでしょうか?
『Q10』は、ストーリー全体で感動するというよりも、パッと急に挿入される
1シーンで感動できちゃったりする。
この本も、なにげないふたりのたったひとつの会話がキラリと光るのです。
すいか DVD-BOX (4枚組)
2003年当時、わたしは基子と同年代。仕事はつまらん、結婚など人生がいい方へ変わる可能性もなく、1人暮らしではあったけれど何となく退屈な日々を送っていたので、基子のように将来への漠然とした不安に苛まれていました。当時も大好きでしたが、今年に入って思い出してレンタル、音楽も、古着主体の衣装も、レトロな下宿も完全にツボだったのでDVDを購入。
この夏は中毒になり、ずっと観続けていました。私事ですが、人生そんなにいいことなんか無く、退屈な日々が続くと思っていたわたしが、会社を辞めざるを得なくなり、直後に病気が発覚。思いがけない事態になりました。今現在闘病中ですが、焦りながらも何もできない状況で、何とか自分を持ちこたえる勇気を与えてくれたのがこのドラマでした。
軽やかな音楽に彩られ、全編に生と死に関する重要なテーマが、さらっと絡んでると思います。
変化しないものなんて無い、すべてが移りゆくものだということに気づかされます。
辛いことでもきちんと向き合って乗り越えなければならない、ということ、実は毎日小さな幸せは身近にあって、それを見つけることが生きて行くこと、などなど、幸福へのキーがいっぱい詰まっています。
これが「ふふっ!」って笑えるくらいに、まったく重くないのです。
最近はよく共演なさってる小林聡美さん、ともさかりえさん、浅丘ルリ子さん、市川実日子さんをはじめ、役者さんが思いっきり光ってます。
生きていくことって大変。怖いことだ。生きてれば必ず死ぬのだし。
実際、こうして何が起こるのか、わからないんだし…。
でも「時が経てば、星さえ変わっていく」「自分で責任をとるような生き方しないと、納得のいく人生なんて送れないと思うのよ」「遅すぎるなんてことないのよ。私たちは何でもできるんだから」。その他、数えきれないセリフの宝物の山々。
木皿泉さん、ありがとうございます。
サントラも買って、中毒を満喫しました。
基子、今、どうしてるかなぁ…?